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ホウレンソウは社会人の基本ってマジですか?

ユキちゃん視点


ラブコメの波動を感じる……


最近身の回りの綺麗な女性たちがほわほわした空気を纏っている事が多い……いいな、みんな誰かと恋してるんだろうなぁ、羨ましい!


私も早くタクトさんと少しだけでも進展したい!


そのためには、すぐにドラゴンの肝とマンドラゴラを買ってこなきゃ!


「すいません、私そろそろ上がりなんで……」


そう言った瞬間背後に殺気を感じた。


「なんで連絡してくれなかったんですか」


私は慌てて飛び退き、背後の声の主を確認する。


「ひっ!マ、マリサちゃん!」


マリサちゃんは殺気を多分に含んだ目つきで私をじっとりと見つめてくる。


「兄様はきっとここですよね!なんで連絡してくれなかったんですか!」


汗が垂れる。


「そ、それは、私も忙しかったし、忘れてたというか、そ、それにマリサちゃん王宮に用事があるみたいだったし……」


「兄様より大事な用事などこの世にはありません」


言い切ったよ。


話逸らさなきゃ。


「そ、それよりなんでタクトさんがここにいるって分かったの?」


「それはわかりますよ。今御前試合でベスト4まで行ったルーキーがいるって話題になっています。そんなことできるのは兄様だけでしょうから、必然このギルドにいるのは分かります。だからこうして来てみたらユキさん、あなたがいて……」


まずい、藪蛇だった!ついさっきまでほわわんとしたラブコメの波動を感じていたのに、今は殺意の波動を感じるよ。


私がどうやってマリサちゃんから逃げようかと模索してると、急に救いが訪れた。


「戻りました」


タクトさんがギルドに戻ってキター!!


「あっ!おにいちゃーん」


えっ?何あれ?きゃるるーん⭐︎って感じでタクトさんに飛びついていったあの可愛らしい生物何?あれさっきまで私に殺意の波動送っていたのと同じ人?


「マリサじゃないか!どうしてここに」


「わーいおにいちゃんだー久しぶりのおにいちゃんおにいちゃん」


無邪気に抱きつく感じ……邪気は感じない。


あれ?変だな?マリサちゃんって幻術とか使えたりする?


「そうだな、ごめんな、しばらく連絡しないで。よしよし」


「えへへへへ」


「学校はいいのか?」


「うん!マリサ学校の卒業論文もう終わったし、就職先のいくつもオファーが来てるから大丈夫だよ」


「そっか!凄いな、マリサは!」


「うん!おにいちゃんに褒められて嬉しい。だからね、私のために名前隠して御前試合とか出なくていいんだよ」


「な、なんでそれを」


「分かるよー。だって私おにいちゃんの妹だよ。おにいちゃんの事はなーんでも分かるの」


私は本当の意味知ってるから怖いけどね。もしかしたらそんな気持ちが顔に出ていたのかもしれない。


「おにいちゃん、ちょっと待っててね」


笑顔でマリサちゃんが近づいてくる。な、なんだなんだ!?


「何か言いたいことでもあるんですか?」


そうボソリ。


「ひっ!な、ないです……」


「余計な事言ったら……」


それだけ言ってマリサちゃんはタクトさんの所に戻っていった。


ああ、恐かった。


「お、なんだ?ユキちゃんとも知り合いなのか?」


「うん、この前会って、すごーく仲良しになっちゃった⭐︎ねっ、ユキさん♪」


「は、はい。マリサさんは、とても優秀で、可愛らしい、方です。こんな、妹さんがいて、タクトさんが、羨ましいです」


「そっか。て事は49支部に来たのか、マリサ」


「うん、おにいちゃんに会いたくてこの間会いに行ったんだけど、おにいちゃん仕事場にも家にもいないからユキさんに一緒に探してもらったんだよ……」


「あー、多分その時は森にいたな」


「もしかして魔王の領域?でも今はあそこ結界が張られてて出入りできないよ。おにいちゃんが出た後結界が張ったのかな?状況を詳しく王宮に報告しなきゃいけないから、おにいちゃん知ってる事あれば教えてほしいな」


「結界!?」


タクトさんは結界と聞いてかなり動揺しているように見えた。


「そう、強力な結界」


「じゃ、じゃあもう森には入れないってことか?」


「結界を破壊しなきゃ無理だよ。転移門を設置したから、私ならすぐに領域までいけるよ。一緒に見にいく?」


「お願いできるか?」


「うん♪おにいちゃんの頼みなら、マリサ何でも聞くよ」


そう言ってタクトさんとマリサちゃんは2人でギルドの外に出ていった。


この隙しかない!


私は、


「じゃ、お先失礼しまーす」


そう言ってそそくさとゴチンコのギルドを後にした。

「続きが気になる!」


「面白かった!」


「また読みたい!」


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