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ジェイドが卑怯者ってマジですか?

雲一つ無い空。風は東。


今日は俺の御前試合本戦、2回戦目。この試合に勝てばベスト4だ。


晴天に観客たちの歓声が響き渡る。


「ウォー!絶対勝てよ!ジェイド!」


「ジェイド様ー!頑張ってー!」


「クリス様ー!素敵ー!」


「クリス様ー!結婚してー!」


「愛してます!クリス様ー!」


そして今回の試合も前回の試合同様実況がついている。


電電デンデンさん。凄い人気ですね2人とも」


「そうですね、ジェイドさんは前回でもお話ししましたが、彗星の如く現れた新人ということで、子供や若者から凄い人気みたいです」


子供に人気あるのか、俺。それはちょっと嬉しい。


「それに対してクリスさんはその端正な顔立ちと容姿から貴公子と呼ばれております。Sランクへの昇格もアリスさんに次いで歴代2位という速さで天才的な実力の持ち主。こちらは特に若い女性から人気があるようですね」


なるほど、どうりで今日は黄色い声援が多いわけだ。


「一時期はアリスさんとの熱愛報道も出ていましたが、アリスさんは完全否定。クリスさんはノーコメントということで真相は不明でした」


「さて、お二人の情報はこのぐらいで、肝心の試合の内容について、電電デンデンさん。この試合どう思われますか?」


「試合結果もそうですが、実はジェイドさんもクリスさんもユニークスキルについては一切謎に包まれているんですよ。噂すら流れてきません」


「ほぉ、それはつまり」


「ベスト8までいった実力者同士の戦い。これからは流石に出し惜しみしている場合では無いと思います。流石に今回、どちらかのユニークスキルは明らかになるのでは無いでしょうか。あわよくば2人のユニークスキルどちらとも見れるかもしれません!楽しみです」


「これは面白くなりそうだ!さ、始まりましたよ!」


「レディィィィ!ファイト!!」


レフェリーの掛け声と共に俺が動こうとした時、対戦相手のクリスとかいう男は、俺に声をかけてきた。


「悪いな、この勝負私の勝ちだ」


「何度も聞いたセリフだ。負ける奴がみんなそう言う」


「ふふふ、まぁちょっと聞きなよ。私はね、君の固有スキルが何か、推理できてしまったのだよ」


「な、何だって?」


ロンギヌスの槍って気づかれた?それってちょっとやばいかもしれない。


珍しいスキルみたいだし、余計に注目を集めてめんどくさいことになりそうだぞ。


「焦っているね。さぁこれから答え合わせと行こう」


聞く前に攻撃しちゃってもいいんだけど、気になるし一応聞いとくか。


「まずルーキー大会の予選。君は高速移動で全てのバッチを取得した。そして次は遥か格上のアリス姫の攻撃を一撃も喰らうことなく圧倒。普通に考えてありえないよね、これ」


「そんな事言ったって、普通に勝っちゃったから」


「続けよう。極め付けは次の試合だ!あの試合、明らかにドラン君の動きが鈍かった。ゴブリンキングを倒した奴とは思えないくらいにね。ここで私はピンときたんだ」


何が?俺は一切ピンときてないんだが。


「ドラン君の二回目の炎を纏った武器、明らかに1回目より遅い。まぁSランクで私くらいになればそれは気がつく。そして疑問が生まれる。1回目を避けられた君が何故あれを避けられなかったのか?」


おお!そこはなんかちょっと当ってるぞ。


「そしてあの芋くさい演技……」


ごめんね、大根役者で!


「君、あの攻撃わざと当たったね」


「ギクっ!」


「ふふふ、どうやら図星みたいだね。そしてここからから導き出される君のユニークスキル、それは……」


ゴクリ。


「それは?」


暗殺者アサシン


「……」


「ふふ、驚いて声も出ないか。素早い動き、人に気づかれず動く。それは暗殺者アサシンスキルの得意とするところ。そして君と戦ったドラン君は調子を崩していた。ここがポイントだ。大方アリス姫にも同じ手を使って調子を落とさせたんだろう」


一体何を言っているんだ?こいつは。


「これアサシンのスキル、毒の効果だよね」


ざわ……


ざわざわ……


観客がどよめく。


「じゃ、じゃあジェイドは毒で相手を弱らせてたってことかよ!」


ざわめきを沈めるようにクリスが話を続ける


「おそらく君はドラン君の控室に忍び込み、飲み物や食料に遅効性の毒を仕込んでいたんだろう。そして後は試合が始まり、毒の効果が回るのを待った。時間稼ぎをしながらね」


そうクリスが言い終えると、


「きったねぇぞ、ジェイド!」


瓶飛んできたよ!やめろよ!


「そしてわざとダメージがないように上手く円月刀に当たり、わざわざ8カウントまで倒れたふりをする、そして油断しているドラン君に1撃を入れる。もちろん弱ったドラン君は容易く倒れる」


観客のボルテージが一気に上がる。


「卑怯者!」


「ブーブー!」


「クリス様ー!そんな奴やっちゃって!」


「俺は最初からおかしいと思ってたんだよ。新人がここまで来るなんて」


完全に俺ヒールじゃん。


「私は別に君が卑怯だとは言わないよ。だってこの舞台に上がる前に勝負は始まっている。冒険者ならいついかなる時も油断してはならない」


「いや、いれてないからね、毒なんて」


そう言っても観客は一切信じてくれない。


「ってことはクリスは毒を食べてねぇんだな!へ、ジェイド、終わりだぜお前は!」


「さすがクリス様!」


観客がそういうのを遮って、クリスは自慢気に言う。


「いや、観客の皆さん。私は控室の食べ物や飲み物はありがたく頂かせて頂いたよ」


「えー!どうして、クリス様!」


「何でだ!クリス」


「それじゃあジェイドの思う壺だぞ!」


なんか勝手に毒盛ったの確定しちゃってるんだけど。


「いや、本当に入れてないから」


「ふふふふ、残念だったね、ジェイド君。毒……効かない体質なんだよ、私は。ユニークスキルのおかげで、『毒無効』なんだ」


「な、何だって!?すげぇぞ!クリス!」


「凄い、毒無効なんて!クリス様!」


「さあ、毒を封じられた君は、どうでるのかな、手も足も出ないだろ、ははは!さぁ、一瞬で終わらせてもらう!」


そう言って剣を俺に突き立てようとするクリス。


俺は攻撃を避けてその顔面にパンチを入れた。


「じぇなふっ!」


クリスは5メートルくらい空に吹っ飛んだ後、闘技場に叩きつけられる。

体がピクピクしている。


「お前の推理だけど……全然違うわ」


俺がそう言うと、観客から歓声が飛び交う。


「ウォーー!つえぇぇぇぇぇ!!!」


「ジェイド!ジェイド!ジェイド!!」


「キャー!ジェイド様!」


「俺は初めからジェイドを信じてたよ!凄いルーキーが来たなって」


最後のやつ、なんて手のひら返しだよ。


「さぁ今回もジェイド選手、圧勝でしたね電電デンデンさん」


「そうですね、でも本当にジェイドさんのユニークスキルって何なんでしょう?次戦ついにユニークが見られるのか、そこも期待ですね」


「次はついに準決勝ですからね」


「まさか優勝なんて事もあるかもしれませんよ!」


「電電さん、流石にそこは難しいかもしれません。今回なんとSSSランクが大会に出てきてますからね」


「SSSランクは自由な方が多くあまりこの大会には出ないイメージですが。今回は彼の出場でいつも以上に御前試合が盛り上がっていますね」


「いやー楽しみです」


「という事で、今回はこの辺で、また次回!」

次回、タクトはやっと聖槍スキルで得たスキルの検証を行います。


「面白かった!」


「また読みたい!」


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