シャカシャカポテト
今日はラー油が見つけられなかった。
中華コーナーで探し、調味料コーナーで探し、結果油コーナーで見つかった。嘘だろお前。食べラーの時にはいなかったじゃん。
なぁこれ私だけが悪いかな? 頼むスーパー、もっと私と膝付き合わせて話し合おうよ。
もう商品見つける専用のアプリとか出てくれないだろうか。
まあそんなことはどうでもいいんだ。
今大事なのは、マクドナルドにシャカシャカポテトが出ているという事実だけである。
「しゃかしゃか……?」
そう、しゃかしゃか。のぽてと。
カップ焼きそばさえ微妙に失敗していたお前だが、これぐらいならできるんじゃないか?
「この袋に……芋の棒を入れるのか? そして……なんだこのふりかけは。こんな量で芋に行き渡るのか? 節制も度が過ぎれば呆れられるものだ。こやつはそうならなければいいが……」
シャカシャカポテトに何を言ってるんだ。
そうしてヤツは袋の蓋を閉じ……それはもう念入りに閉じ、恐る恐る振り始めた。
まるで、袋の中にいるカブトムシをそっと確かめるように。
……いや、なんださっきの例え。
おい武士、もっと派手に振ってもいいよ。
「ほ、本当か!? 芋が崩れるのではないか!?」
そこまでヤワじゃないよ。やってごらん。
「む……ぬううううう!!」
あー……。
お前、腕振ったら腰も振っちゃう感じになるヤツなんだね?
もう何か神に捧げる感じのアレみたいだよ。隣で太鼓叩いてる人がいないのが不思議なくらいだ。
それでも、無事にシャカシャカポテトは完成した。
「……ほう、これは……!」
一口食べた武士の目が輝いた。次から次へと手を伸ばす所を見るに、相当お気に召したようだ。
「おかわり」
そこにある分だけだよ。
「ならば買いに行こう」
明日な。
「絶対だぞ! 絶対だぞ!」
翌日私は、シャカシャカポテトではなくうまい棒を買って与えた。食べるまではブー垂れていた武士だったが、やはり一口食べるや否や無言で完食した。
今は新しいうまい棒を要求されている。
コンポタ味、ほんと美味しいよね。




