クリスマスに臨み
くーりすーますーがこーとーしーもー……。
やってくるに決まってんだろ。世界中の子供達みんないい子にしてサンタさん待ってんだ。配れ配れ。頑張れサンタさん。
クリスマスは好きだ。イルミネーションは綺麗だし、やっぱり街全体がワクワクしている気がしてテンションが上がる。
そして、それはコイツとて例外ではないようだが……。
「徳を積んだ者の前に一度だけ現れ、金銀財宝を与える三太殿」
んんんんんん!!!!
またうちの居候武士は、サンタクロースを独自の解釈で攻めてしまっているようであった。
なんだよその日本昔話。
「某も来たる“くりすます”に備えてな、徳を積もうとしていたのだぞ」
そして武士劇場が始まる。
「まず、大家殿の分まで靴を揃えていただろ? ご飯の時にはお箸を並べていたし、あと朝は寒いから靴下を用意して寝ていたし……」
やってることが妖精か小学生である。
でも靴下はほんとありがとな。
「どうだ大家殿! これで某の所にも三太殿は来るであろうか!?」
武士は、キラキラした目でこちらを振り返った。
えー……。
……。
……金銀財宝タイプは来ないかもだけど、来るんじゃねぇかな?
「うむ!!」
あ、確信に変わっちゃった。私のバカ。
武士はとてもご機嫌に舞いを踊り始めた。見たことないヤツだ。新作披露するレベルで嬉しかったのか。
……コイツ、何が欲しいかなぁ。
とりあえず、クリスマスまでにリサーチしておくことにするのである。




