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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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辛子明太子

 私的な話で大変申し訳ないのだが、



 辛子明太子が信じられないぐらい好きである。



 こないだカメムシの話したじゃん。

 あれでどれだけ私がカメムシ嫌いかは分かってもらえたかと思うのだけど、


 それの対極に位置するぐらい好きです。


 本当に美味しい。舌と胃袋だけ福岡に飛ばしたいぐらい好き。


 一時期、晩飯がマジでオンリー辛子明太子だったぐらいには好きだ。あの時は本当に頭がおかしかった。ずっと胃が荒れてたし。


 でも好き。


 なので、近所のスーパーで辛子明太子が特売だった昨日なんかはもう、すっ飛んで行って買ったのだが……。


 今日冷蔵庫を見たら、半分になっていた。


 武士っ……! お前っ……!!


「あれは甘めの酒に合うと思う」


 おっしゃる通りなんだよなぁ!!


 私辛口の方が好きだけどね!!


 日本酒とかも辛口の方が好きだ。ビールも然り。

 武士はなんでも甘い方がいいみたいだが。


 いや明太子!!


「無理を言うな大家殿。失ってしまったものは二度とは返らん」


 だまらっしゃい!

 さぁー、家主の大好物を半分食べちゃう悪いお口は縫い縫いしちゃいましょうねぇ!!


「ぬわあああああ!!」


 私は武士のちょんまげを叩き潰さんとすべく、裁縫セット(小学生の頃から使ってる超カッケェ絵柄のヤツ)を振りかざす。


 が、その時であった。


 ピンポーン、と明るい呼び出し音が鳴った。


 ……。


 武士を目で牽制しつつ、ドアを開ける。

 そこにいたのは、お隣の秋澤さんだった。


 なんでも実家が九州の方で、大量に辛子明太子を送ってくれたらしい。で、一人ではとても食べきれないので、お裾分けに来てくれたと。


 武士を振り返る。

 どこで覚えたのやら、親指を立てて「イイね!」と口パクで言っていた。


 うるせぇわ。


 秋澤さん、本当にありがとうございます。

 この御恩は、いつか必ず……!


 そんなわけで、今晩のおかずは辛子明太子である。

 贅沢だけど卵焼きにくるんで食べるのも超美味しいよね。本当最高。

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― 新着の感想 ―
[良い点] こんばんは。 少しずつ読ませていただいてます。 毎回面白いです! [一言] 大家殿……! 握手ーーー!! 私も辛子明太子超好きです! 学生時代の昼食は毎日、辛子明太子のおにぎりでしたぞ! …
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