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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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花屋

 観葉植物を置きたいと思う。


 風水的にね、やっぱ置いといたらいいんだってさ。

 リビングなら葉っぱの丸いヤツがいいらしい。なんかこう、人間関係とか健康とかが色々まぁーるくなるとかなんとか。風水的に。


 うん、風水的に。


 うん。


「異国の呪術を我が家に取り入れるとは、流石大家殿だな」


 お、バカにしたか? バカにしたのか?

 してない? 素直に感じ入ってる?

 よーしよーし。


 ……言えねぇなぁ。『るろうに剣心』に出てきた風水使いに影響されました、とは……。


 というわけで、花屋に来てみた。


「おお!」


 毎度お馴染み、武士にとってのハロー・ニューワールドである。


「この大きい花の名はなんというのだ! ぬぬぅ、黄色いなぁ……黄色い……。あ! あれは夏の花ではないか!? エレキテルか、エレキテルの仕業なのか! ……な、なんと、こちらには多色の花だと!? していかほどの値が……? おお! こんなお値打ち価格で!?」


 最後通販の人みたいになってるじゃねぇか。

 花屋で動物園ばりにはしゃぐな。


「大家殿、其はこれが気に入ったぞ!」


 そして私が何も言っていないのに、武士はとある植木鉢を持ってきた。

 なんだこれ。アデ……ニウム?


「葉っぱも丸いし、茎の根元も丸い。愛らしい」


 なるほど、一応条件は満たしているらしい。

 えー……パキラとかその辺り買おうと思ったんだけどな。


 まあいいか。


 風水よくわかんねぇし。


 そんなわけで、今我が家のリビングの窓には、小さな植木鉢におさまったアデニウムが鎮座している。

 武士は「家族が増えました」みたいな顔をしていた。いやだからお前そもそも私の家族じゃないからな?

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