えげつねぇ悪夢を見た日
とんでもねぇ悪夢を見て目が覚めた。どのぐらいとんでもないかと言うと、私の悲鳴で武士が飛び起きたぐらいです。現在時刻午前4時。おはようございます。
「んばももぞ」
何事ぞ、と言っているんだと思います。大変申し訳ない。私が悪夢を見たばっかりに。
「へるふぁいや?」
地獄の業火? いや、悪夢って聞いてその間違いは耳腐りすぎだろ。
嫌な夢を見たんだよ。
「ほう……うむ……なるほど……」
これこのまま寝そうだな。
「どのような夢だ……?」
聞いてくれるんだ……やっさし……。
武士がなんか気持ち悪い雰囲気の男から言い寄られててさ、見るに見かねて割って入ったらそいつの逆鱗に触れて、姪っ子と甥っ子を人質に取って「おれが出すテストに全問正解するまで帰さない」とか言い出したんだよ。
「……」
寝た?
「話が……突飛すぎて処理できぬ……」
起きてた。まあ夢の話だからね。
しかもテストは両面ペーパー式だった。内容は主に筋肉に関することと、そいつが自費出版した本に関すること。
「おお……露ほども解ける気がせぬ……」
実際私も全然解けなかった。正解できたのは大胸筋と大殿筋と三角筋だけ……。
「一体どのような問題だったのだ」
忘れた……だって所詮は夢だから……。
んでまあ……私は全然正解できず……かわいい甥っ子姪っ子は人質に取られたまま……私は絶望した……。
「まこと悲しい夢であるな。あまりの夢に某も興味が湧いて目が覚めてきた。ところで、怪しげな男に言い寄られておった某はどうなったのだ?」
ぐう……。
「大家殿?」
すやすや……。
「大家殿???」




