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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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寒いと肌が割れる

 それなりに年を重ねてきたせいか、近年空気が乾燥してくるに伴い肌が地割れのごとく裂けるようになりました。つらい。痛みもそうだけど、加齢をひしひしと感じるのがつらい。

 というわけで水作業は基本ゴム手袋、可能なら日中も手袋、ハンドクリームとはズッ友のか弱き生物が爆誕しているのである。


「わかる」


 これに関しては武士もご理解いただけるようです。実際同年代だもんな。生きた時代は違うけど。


「某も肩のあたりが実にカサカサしてきておるのだ。早急に椿の湯に入りたいところよ」


 椿の湯って何よ。どこかの名湯?


「否、椿油を混ぜた湯である。入れば肌がしっとりするそうだ」


 へー、江戸時代にもそんなのあったんだ。伝聞系で終わってるってことは、お前入ったことないの?


「うむ。某が江戸におった頃はまだ若かったから……」


 せちがれぇ。なにげにお前現代に来て長いもんな。

 でも肩が乾燥してるんなら湯に入るよりボディクリーム塗ったほうが良さそうだ。っていうかなんで肩が乾燥してんの? 私が知らないだけで普段剥き出しにして街中歩いてる?


「そんなわけなかろう。家の中だけだ」


 なんで家の中ではタンクトップで過ごしてんだよ。12月も目前だぞ。


「否、上裸である」


 乾燥より問題じゃねぇか。

 まあいいや、ニベアの青缶やるから肩に塗りたくっときな。


「かたじけない」


 構わんよ。

 あー、でも指先が割れてくるといよいよ冬を感じるな。小さい秋でいいから見つけたいよ。


「かめむし」


 あいつらは冬もいるだろ。

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