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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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繁忙期を乗り越えた私に怖いものはない

 最近、限りなく定時に近い時間に帰ることができるようになった。これは嬉しい。こころなしか同僚や上司、後輩の顔にも余裕が戻っている。

 もう一ヶ月もしないうちに12月がやってくるという事実は無視します。


 さて、今日もいい感じの時刻に帰宅できたのでにっこりご機嫌である。嬉しさのあまりケーキも買ってきてしまった。さて、武士も喜んでくれ


「とりか、とりとんか」


 ドアを開けるなり謎の二択を迫られた。え、何……? 鳥類と海の神を天秤にかけることあるの……?

 だが私とて、不本意ながら武士歴数年にもなる男である。この程度の質問をいなすことなど容易い。


 トリック・オア・トリートだろ! その上で今は11月なんだよ!!


「某とあろう者がすっかり忘れておったのだ……」


 武士であることをアイデンティティとする者なら別に忘れていいだろ、ハロウィンは。


「しかし菓子をもらいそこねた」


 よしんばお前がハロウィン時に各ご家庭を回ろうもんなら、いただけるのは罵声か戸惑いの声だと思うから忘れてたほうが良かったんじゃない?


「……とりか、とりとんか」


 往生際が悪いなぁ! そんで前にハロウィンだった時は別の掛け声使ってたよな!? なんだったっけか!

 ……。


 まあ……ケーキがあるんだけどさ……。


「とりとん!!」


 半人半魚の海の神は関係ねぇよ! いや本当に関係ないな!

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