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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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忘れ物を取りに帰ったら武士が全裸だった

 表題のとおりです。

 いったん出発したものの、忘れ物を思い出して家に引き返したら武士が全裸でした。


「イヤーーーーーーーッ!!」


 野太い悲鳴をあげるな! むしろこっちがあげる側だろ!


「何をしに戻ってきたのだ?」


 いや、普通に忘れ物を取りに帰ってきただけだけど……。

 そういうお前は何があって全裸なんだよ。

 もっと具体的に言うと、どんな事情が発生したら全裸で掃除機かけることになるんだよ。


「まず、大家殿が起きた時点で某は鍛錬から戻ってきたばかりだった」


 うんうん。


「当然汗にまみれておる。そこですぐに風呂に入ればよかったのだが、大家殿の朝餉を準備せねばならぬ。ゆえにそちらを優先したのだ」


 つってもお前がやってくれたことって、トースターに食パン突っ込んだだけじゃん。ありがたいっちゃありがたいけど……。

 とにかく、それで遅れて風呂に入ったから、今全裸ってこと?


「うむ」


 じゃあ掃除機持ってるのは何?


「部屋を清めておる。どうせ風呂に入るのであれば、さんざん汚れておこうと思ってな」


 じゃあ今のお前は汗まみれの埃まみれと。


「このあと雪隠も清めるゆえ、更にこの身に纏う不浄は増すであろう」


 何ちょっとかっこよく言ってんの? 不浄を落としたらぜひ服を纏ってな。

 うわ、アホとアホな会話してたら時間やべぇ! いってきます! いつも掃除洗濯ありがとね!


「うむ、気をつけて行ってくるがよい」


 こうして、私は一度自宅に帰ったにも関わらず忘れ物をして出社したのである。

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