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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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診察までの待ち時間にて

 総合病院だからか、診察までの待ち時間は比較的長いように思う。とはいえ急いで診てもらわないといけない身でもないため、大人しく待機するのみだ。


「ここも随分と見慣れたものだ」


 しみじみと辺りを見回しながら武士は言う。


「あのお触れも何度目にしたことか。某、ここに置かれてある様々な本に目を通したものだが、ついに読むものがなくなった時にはぼんやりあれを眺めたものよ」


 お触れ? ああ、院長からのお知らせか。

 病院の壁に貼ってあるポスターはつい見ちゃうよね。わかるわかる。

 ……いや、そうでもないな。最近はスマホばっか見てるわ。


「無粋であるのう」


 無粋かどうかはわかんないけど、言われてみればあんまよくないかもね。目を休める意味でも、スマホを置く時間は積極的に作ったほうがよさそう。

 でも実際待ち時間でできることってなくない? 本も家に置いてきちゃったしさー。


「では某と尻の取り合いをしよう」


 え、絶対やだ。

 ごめん、反射的に拒絶したけど何の話? 尻を? 取り合う? 誰の尻を?


「まずは某から。横綱」


 横綱の尻を取り合うの???

 ……あ、しりとりか! クソッ、今回気づくのにだいぶかかっちまった!

 横綱の〝な〟ね。えーと、梨。


「尻」


 結局尻に帰結してんじゃねぇか。

 り、り……漁師。


「尻」


 二回も返ってくるな。ルール違反してまで尻を擦りたいか。


「尻を……擦る……!?」


 異常者を見る目で見るな。お前が言い出したんだ、お前が。

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