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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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ポテイトゥ!

 武士が現代日本にやってきてから随分経った。マジで何の誇張表現もなく随分と経っている。そろそろ永住の二文字が見え始めた。


 だが、武士はそれでいいのだろうか。


 武士には故郷に残してきた父母や友人がいる。見慣れた景色、馴染んだ文化、人々の騒がしさ……そういったものを思い出し恋しくなることはないのだろうか。


 武士よ……。


 いやすっげぇポテト食ってんな。


「ふもっふもっふ」


 食ってから喋れ。建材置き場・横からの図みてぇな口しやがって。

 でもフライドポテトは江戸時代にはなかったからなー。戻ったら食べられなくなるだろうし、存分に食っとけ。


「んぬぬぬもっふ」


 わかんねぇわかんねぇ。


「……」


 ……。

 ポテトが吸い込まれていく……。


「もぐん」


 お、なくなった。


「よもや芋をそのまま揚げるだけでかように旨いとはな。江戸で店を出せば飛ぶように売れるだろう」


 わかる。江戸時代の人たちフライドポテト好きだと思う。

 そういや、江戸時代って油は一般家庭にも普及してたんだっけ。


「もっぱら行灯用であったように思う。料理に使うのは屋台の者らが中心だった」


 やっぱそうなんだ。炒め物とかまだなかったもんね。


「うむ。ゆえにまふっふふもふもどもっふふ」


 喋ってる途中に食うな。どんだけポテトに夢中なんだよ。


「ふむーう……」


 お、ちょっと食べる手を止めた。さすがに休憩を挟むか?


「もふ」


 違う、ハンバーガーに手を伸ばした! ポテトを食べながらハンバーガーに手を伸ばし、口の中に余裕ができ次第ハンバーガーを食べるつもりだ! なんて食いしん坊だ!


「ふも~」


 更に空いた手で次なるポテトも用意! 交互食べを実行するつもりだ!


「んごっふえほえほえほ」


 ほら言わんこっちゃねぇ、喉に詰まらせた! しかも両手に持ったハンバーガーとポテトを一旦手放す気もないと見える! 手放せ! 飲み物を飲め! どんだけ食べ続けたいんだよ、フードファイターでも水はちゃんと飲むわ!!

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