表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
654/676

寝ている時においしいものを鼻に近づけること

 ハムスターが丸い。

 うちのハムスターは今日も、お気に入りスポットであるトイレの中に入り、こちらに背を向けた状態で尻を地につけて座っている。そのフォルムがあまりにも丸いのだ。毛玉である。命ある毛玉。

 ところで、うちのハムスターは起きている時は絶えず動いているので、微動だにしなければそれは寝ている時ということだ。そしてこうなると本当に起きない。たとえば、こうして彼の大好物であるマスカット(皮剥き)を近づけても……。


ハムスター「……」


 起きない! 微動だにしない!

 目が覚めていると指ごと食いちぎらんばかりの勢いで飛びついてくるので、マジで熟睡しているのだ。かわいいなぁ、もう。


 さて、人間以上の嗅覚を持つハムスターですら、熟睡時に好物を認識できないのである。いわんや、人間をや。

 というわけで、寝ている武士の鼻先にほかほかの焼肉弁当を突きつけてみようと思います(日曜日出勤午後11時帰り)。まもなく日付が変わろうとする頃なので、当然武士は寝ている。しかし、鼻先に焼肉弁当を突きつけられれば……?


 ハムスターと人間、どちらに軍配が上がるのか! 早速電子レンジで焼肉弁当を温めて……。


「何やらいい匂いがする」


 ンギャーーーーーーーーーーーーーーー!!!!?????


 アーッ! アワワッ!! アッ背後に武士!! お前マジ何なの心臓止まるかと思ったんだけど!! 少し季節外れのホラー体験!? 


「肉の匂いだ」


 怖ぇーっ!! 8番出口でおじさんの挙動がおかしかった時に感じる恐怖だ!


「某にも分けよ」


 やだよ、私だって腹減ってんだよ!

 焼肉のタレがしみたご飯だけちょっとやるよ!!




 結論:武士は好物の匂いで早めに起きる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ