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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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あっという間にスイカの季節が終わりを迎えた件

 まだまだ妙に暑い日が続きますね。だからスイカを買ってきたんですよ。

 ちょっと割高な気はしたけど、昨今の物価高は尋常じゃないし、何よりスイカを食べたい気分だったので買わない選択肢はなかったんです。が、帰宅していざ武士とスイカを食べてみると……。


 なんか……甘さが足りないな……?


「もぐもぐもぐ」


 いや、おいしいはおいしいんだけど、私が知っている糖度じゃない。スイカの本気はこんなもんじゃなかった。先端を食べた時に「おっ!」と思えるような甘みがあったはずだ。


「しゃくしゃくしゃく」


 それがこのスイカはどうしたことだろう。皮に近づけば近づくほど野菜感が増しているではないか。

 なんてこった、もうスイカの旬は過ぎてしまっていたのである。気温と私の心はまだ全然8月をさまよっているのに。


「もしゃもしゃもしゃ」


 武士の咀嚼音がやまねーっ!


「やはりスイカはうまいな」


 まあおいしいはおいしいけどさ。なんとなく甘くなくない?


「そうか?」


 一点の曇りもない目で疑問を呈されたら、こっちの味覚が間違ってるんじゃないかって不安になってくるな……。

 いいや、あとは食べていいよ。


「かたじけない!」


 うおお、俄然むしゃむしゃ食べ始めた。やっぱ私の味覚がおかしかったのかな?

 そうだ、ハムスターにもスイカをお裾分けしよう。おーい、ハムー。スイカだぞー。


ハム「……」


 お、巣から出てきた。この小動物はスイカが好きだからな、きっと今回もあっという間に食べきるんだろうなー。


ハム「……」シャク…

ハム「……」

ハム「……」ぷい


 あ゛!? そっぽ向きおった!


ハム「……」のちのちと巣に消えゆく尻


 ハムの者ー!? マジか、ハムスターって結構繊細な味覚あるんだな!? このげっ歯類も旬の終わりを感じてるんだ……!


「うまし」しゃくしゃくしゃく


 武士と違ってな!!!!

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