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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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個人情報

「奇妙に思うことがある」


 なにが?


「なにゆえ大家殿は、まことの名を名乗らぬのだ?」


 え、何の話?


 聞けば、なぜ私が匿名でインターネットをしているのだという質問だった。

 そんな……お前……。


 普通だろ!! むしろインターネットなんて匿名であることが前提なまであるわ!!


「しかしそうでない者も多数おる」


 フェイスブックとかインスタとかの文化はそうだろうな。でも私の文化ベース、2ちゃんねるとツイッターだから。本名を出そうものなら寝首をかかれる世界で生きてきたから。


「何を言っておるのか全くわからん」


 わからなくていいよ、こんな知識。絶対に江戸時代に持ち帰るな。

 そもそもね、インターネットに名前なんか出してみろ。プラス、日常のこまごました出来事も写真付きで載せようもんなら、あっという間に住所と家族構成を突き止められる。そんなもんだ。


「考えすぎではないか?」


 そんなことはない。この混沌とした情報化社会において自分の身を守れるのは自分だけだ。タンス貯金なんてもう古い。今の時代はタンス本名だ。


「その割には大家殿、某との生活を公にしておるではないか」


 あれは……。

 あれは、まあ、その……。


 楽しいからいいじゃん。


「にわかに頭が悪くなったな」


 大丈夫だよ、こんなに続けてるのに未だに私の名前も武士の名前も出してないんだし。


「しかしご近所において、すっかりこの長屋はちょんまげはうすとして有名であるぞ」


 なにそれ知らない情報なんだが。このアパート、ちょんまげハウスって呼ばれてんの?

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