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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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熱中症にはお気をつけを

 どこかで話したかもしれないが、私は熱中症になりやすい。

 症状が出やすいと言ったほうがいいだろうか。夏に水分補給を怠ると、じわじわ頭が痛くなり始める。そして一度こうなってしまえば、経口補水液を摂ろうが冷えピタを貼ろうが塩飴を舐めようが、全て徒労に終わり酷い頭痛に苛まれることになる。

 それでも、以前は一晩寝れば回復していたのだが……。


「大家殿、肥えたか?」


 前日、うっかり熱中症になってしまった私は今、むくみにむくんだ顔で武士と対面していた。

 なんだ、この顔。風船か?


「いかがしたのだ」


 こっちが聞きてぇな……。何が起こったんだ、私の顔に。

 つーか頭痛い。熱中症の症状がまだ続いてる。


「ぬ、熱中症か。まだ治っておらんかったのか?」


 うん、そうみたい。でもなんでそれで顔が膨れてんの?


「知らぬ」


 そうだな、武士が知るわけないな。大人しくインターネットに聞いてみます。

 えー……。

 あ、これかも。脱水症状で顔がむくむことがありますだってさ。


「逆ではないのか? 水を飲みすぎて顔が膨れるほうが道理だぞ」


 確かに。……いや、そんな簡単な話でもないらしい。体が水分不足になったら、細胞が自分の水分を外に出して補おうとするとかなんとか。その分の水分がむくみになるんだって。


「?」


 きょとんとすんな。

 とにかく、まだ私は熱中症を脱していないってことだ。


「ただごとではないではないか」


 助けてくれ……!


「医者を呼ぶか?」


 そこまでしなくてもいい……はず。とりあえず朝ご飯を食べて、首と頭を冷やして休んでみる。


「そうだな。ただ水を飲むよりも、食い物のほうが体に水を取り込みやすいと聞いたことがある」


 おう、めしにするか。


「大家殿」


 へい。


「もう無理がきく年ではないのだぞ」


 うるせぇ、肝に銘じます。

 何卒皆様もお気をつけを。

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