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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
637/676

海に入ったら体から無限に砂が出てくるあの現象

 前回のあらすじ。調子に乗った武士が海ですっ転んだ。

 今回のあらすじ。開き直った武士が波打ち際に腰を落ち着けた。


 やめろや!


「暑さに痛めつけられたこの身が、海の涼しさに喜んでおる」


 そりゃ尻つけて座ってるから下着を貫通して海水がしみこんでくるだろうさ。やめろって! クラゲに刺されたらどうするんだ!


「その時はそれまでの命」


 覚悟決めすぎだろ! いいからもう行くぞ!


「しばし待たれよ」


 なんで?


「沖を見よ。じきに大きめの波が来る」


 うおっ、ほんとだ。ちょっと高めの波が来そうだな。じゃあ私は少し離れて……。

 いやお前、全身ずぶ濡れになるつもりかよ。


「来い!!」


 わくわくすんなや! いくら着替えとタオルがあるからってカバーできる範囲じゃ……。

 ! 波が来たぞ!


「ぬおーーーーーっ!!」


 おおおおおお!!

 ……。

 あれ?


「ぬ?」


 なんか……思ったほどたいしたことないな。武士の尻がちょっと濡れたぐらいか。


「ぬう……沖に波を見た時は期待に胸を膨らませたのに」


 ははは、そんなもんだよね。大体でかい波ってのは見てない時にくぐわーーーーー突然の大波がっ!!!!


「ぬぶぼっ!!!????」


 ……。


「……」


 武士……髷まで濡れてない?


「そう言う大家殿も下半分がずぶ濡れではないか」


 ……。


「……」


 その後、尻を波打ち際につけて座ってしばらく海を眺めていました。これもまた青春の形かもしれない。そんなことねぇわ。

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