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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
633/676

おお、もう8月も後半戦じゃん

 休み明けの倦怠感に名前はついているんだろうか。

 調べたら、「ブルーマンデー症候群」とか「サザエさん症候群」が出てきた。なるほど、聞いたことがある。


 だけどそんなもんより、お盆前の私への憎しみが凄まじい。よくも平気な顔してこんな量の仕事を残していきやがったな! のうのうと休みを満喫しおってからに!

 休み前の自分にヘイトが湧き出るこの現象に名前はついていますか。調べてもわからなかったので有識者の方よろしくお願いします。


 まあそんなこんなで8月も後半戦です。


「この調子ではあっという間に夏が終わってしまうぞ」


 本日は土曜日。武士が洗濯物を外に干しながらぼやいた。


「換気扇の掃除をしておくべきだな。ぬいの者達も日干しを済ませておかんと」


 強烈な日差しを有効活用しようとしている武士の背後で、私は床にべったり寝転がっている。もう何もする気が起きない。今は呼吸をやめていないってだけで自分を褒めてやりたいぐらいだ。


「大家殿の今の状態を知っている。限界化というのだろう」


 合ってるかな……? もう合ってるってことでいいや。スイカ食いてぇ。


「ぶどうならあるぞ」


 最高じゃん。


「巨人」


 巨峰な。

 え、めっちゃいいぶどうじゃん。どうしたの。


「大家殿の大家殿からいただいた。窓拭きの手伝いをしたのでな」


 アパートの大家さんか……。お前相変わらず、べらぼうに人に好かれるな。


「大家殿も食すといい。少しは残っておったはずだ」


 ほとんどお前が食ってんのかよ。まあいいけどさ。


「あとでスイカも買ってこようぞ」


 おおーん、感謝。ありがとな。

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