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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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里帰り!

 午前4時。なんか目が覚めてしまったので、サービスエリアのトイレで顔を洗って歯磨きをし、早めに出発することにした。なお武士はまだ全然寝ている。ゆっくり寝かしといてやろう。道中寝ていてもいいのに、ずっと起きて私の話し相手になってくれていたからな。

 起きたら高知入りしてたって気づいたら武士びっくりするぞ~。そんなことを思いながら私は車を走らせていたのであるが……。


「雪隠はどこぞ~~~~~~!!!!」


 おはようの代わりに尿意を訴えられました。親切ってこんな形で仇になるんだな。


 さて、思わぬトラブルもありましたが帰ってまいりました、高知! ただいま~~~相変わらずべらぼうに緑が多いぜ! 


「ほう。土佐は海ばかりだと思っておったが」


 南側がべったり太平洋に面しているけど、その他は殆ど山だからね。具体的に言うと高知県の89%が山地。県土の84%が森林。高知県民は木々の間から生えてくる。


「まさか大家殿も?」


 もちろん杉の間から生まれてきました。


「まことか?」


 まことなわけねぇだろ、私は正真正銘人間だ。


「今日の大家殿は少々面倒くさいな」


 車で里帰りしてテンション上がってんだよ。さあ、まずは今日のお宿に向かうぜ!


「ぬ? 大家殿のうちに泊まるのではないのか?」


 さすがに武士を連れて帰って泊まろうもんなら、ちょっと親に気を遣わせすぎるかなって。


「なにゆえ?」


 武士だから……。


「大家殿の父上とは盃を交わした仲であるのに」


 そうそう、今日のお宿はサウナ付きだぞ。


「なぬ!? よい目のつけどころをしておるでないかー!」


 しめしめ、まんまとつられおったわ。実際は行こうと思えば行ける場所にサウナ付きの温泉があるってだけだがな。

 とりあえずそこで休憩し、実家へと顔を出すつもりである。

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