サービスエリア、なう
何がとは言いませんが、武士は無事間に合いました。本当によかった。一時期は本気でレンタカーの死を覚悟した。
とにかく結果良ければすべてよし。私達はサービスエリアを訪れていた。
「ううむ、気持ちが良いのー!」
武士は思いっきり伸びをしている。ずっと車に乗っている身なのだ、こういう場所での開放感は格別である。
よし、ここで昼食済ませちゃおうな。そういや実家へのお土産も買ってしまおうか。
「! 大家殿! 大家殿!!」
何よ、大声だして。
「見るがいい! 足湯があるぞ!!」
え、足湯!?
うわ、ほんとだ! しかもカフェだから足湯に浸かりながら軽食を取れるのか。へー、すごいな。
「それだけではない、温泉もある!」
うおお、まじかよ。魅力的過ぎる。
「その上えれきてる按摩もござる! 黄表紙も読み放題だ!」
マッサージチェアと漫画コーナーもあんの!? このサービスエリア、旅人を解放する気ないじゃん!!
いやいや、ここにはちょっと立ち寄っただけだから! 先も長いし、ちょっと休憩したらすぐ出発するぞ!!
強い気持ちを持て、武士! 長旅に甘えは禁物……
あ~~~~~~~~足湯気持ちえ~~~~~~~~(即落ち)。
「良き湯であるのう。足を湯に浸からせておるだけなのに、なにゆえこれほど心が落ち着くのか」
最高~~~~。もうここが故郷だよ。ただいまお母さん。
「大家殿、気を確かに」
でもやっぱ旅先で温泉ってのが効いてるんだろうな。これが家でたらいにお湯張ったセルフ足湯だと、ここまで「イイ!」って感じはしないと思う。
「うむ。思わぬ巡り合わせがこれほどの喜びを産むのであろうな」
まあこういうところが弾丸里帰りの醍醐味だよね。
「大家殿はもう少しばかり計画を立てるべきである」