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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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サービスエリア、なう

 何がとは言いませんが、武士は無事間に合いました。本当によかった。一時期は本気でレンタカーの死を覚悟した。

 とにかく結果良ければすべてよし。私達はサービスエリアを訪れていた。


「ううむ、気持ちが良いのー!」


 武士は思いっきり伸びをしている。ずっと車に乗っている身なのだ、こういう場所での開放感は格別である。

 よし、ここで昼食済ませちゃおうな。そういや実家へのお土産も買ってしまおうか。


「! 大家殿! 大家殿!!」


 何よ、大声だして。


「見るがいい! 足湯があるぞ!!」


 え、足湯!?

 うわ、ほんとだ! しかもカフェだから足湯に浸かりながら軽食を取れるのか。へー、すごいな。


「それだけではない、温泉もある!」


 うおお、まじかよ。魅力的過ぎる。


「その上えれきてる按摩もござる! 黄表紙も読み放題だ!」


 マッサージチェアと漫画コーナーもあんの!? このサービスエリア、旅人を解放する気ないじゃん!!

 いやいや、ここにはちょっと立ち寄っただけだから! 先も長いし、ちょっと休憩したらすぐ出発するぞ!!

 強い気持ちを持て、武士! 長旅に甘えは禁物……




 あ~~~~~~~~足湯気持ちえ~~~~~~~~(即落ち)。


「良き湯であるのう。足を湯に浸からせておるだけなのに、なにゆえこれほど心が落ち着くのか」


 最高~~~~。もうここが故郷だよ。ただいまお母さん。


「大家殿、気を確かに」


 でもやっぱ旅先で温泉ってのが効いてるんだろうな。これが家でたらいにお湯張ったセルフ足湯だと、ここまで「イイ!」って感じはしないと思う。


「うむ。思わぬ巡り合わせがこれほどの喜びを産むのであろうな」


 まあこういうところが弾丸里帰りの醍醐味だよね。


「大家殿はもう少しばかり計画を立てるべきである」

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