武士の腰、その後
前回までのあらすじ。武士が腰を痛めたので病院についてきた。
「はい、レントゲン撮っていきましょうねー」byお医者さん
「れんとげん……?」by武士
「骨に異常がないかね、確認していきますからねー」byお医者さん
「大家殿、某はれんとげんを取られるのか……? 体に障りは出ぬのか……?」by武士
多分武士は、自分の身体の中に“れん”と“げん”なる部位があると勘違いしていて、それをお医者さんに引っこ抜かれることを恐れているんだろうな。訂正面倒くせぇ。もうそれでいいか。
「大家殿、某のれんとげんはちゃんと戻されるのか?」
うん、相手はプロだから大丈夫だよ。
そんなトンチキなやり取りもありましたが、結局武士の腰はなんともなかったです。立ち上がった拍子にちょっと捻ったのだろうということで、湿布を出していただきました。まあ大したことなくてよかった。
「しかししばらくの間、某は飛んだり跳ねたりできなんだ」
いいじゃん、別に。
「大家殿を元気づける舞も踊れなんだ」
いいじゃん。
「正気か?」
正気を疑われてしかるべきはお前のほうだろ。なんで毎日隙あらば珍妙な踊りを見せつけてくるんだ。私のMP減らしたいのか?
「えむぴー?」
なんでもない。一緒にドラクエやりこもうな。
……。
つか、最近毎日踊ってるその舞がお前の腰に負担かけてるんじゃ……?
「さて大家殿、本日はかき氷を所望しておったな」
露骨に話題変えるんじゃねぇ。たこ焼きも食べっぞ。




