表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
617/677

明日に繋がる健康を

 最近、体重の増加に弾みがついたように思う。

 普段そこまで食べているつもりはない。だが武士にそう言ったところ、「大家殿は食後必ず甘いものを口にしておるではないか」と言い返された。確かに、体重の増加に伴って買い置きチョコの減少っぷりも目を見張るものがあった。武士は正しいのだろう。


 そこで私はスマートフォンにインストールしたのだ――食事管理アプリを!


「面倒であろう」


 しかし武士はこの顔である! 眉間に皺を寄せ、口はひん曲がり、なんともまあ醜悪な顔!


「そも食というものは自然に楽しむべきである。いらぬ手間を挟むなど、せっかくの米が味気なくなってしまうぞ」


 ところがどっこい、最近の食事管理アプリはすげぇんだぜ。メニューの写真を撮るだけで勝手にカロリー計算してくれるんだ。


「ほう」


 試しにここにある菓子パンを撮影してみようか……えいっ!


「揚げ豆腐と出たな」


 じゃあこれは揚げ豆腐だ。ヘルシーだから二個食べてもいい。


「欺瞞を働くでない」


 だって残業続きの毎日だよ。糖分の過剰摂取は脳に直接届くんだよ。


「なんのための管理あっぷりゅか」


 あっぷりゅ~(残業で溶けた脳)。


「それにしても菓子の食い過ぎで肥えるとは贅沢な悩みよの……。某がおった所では明日の飯もままならぬ者が大勢いたというのに」


 う、それを言われると耳が痛い。江戸時代は当然、現代ほど食の供給が安定していないからな。

 でも食べることができれば、その内容は米や豆類、魚類が中心。つまり、もし三食食べることができ、かつ適度な運動をしていれば、食事管理アプリで高得点を叩き出せるような健康的な生活が送れるのである!

 私も見習わなければ! そうと決まれば武士、明日からはしばらくお江戸リスペクトメニューに変更するぞ!


「否、某は牛の肉が食いたい」


 明日は焼き肉にするか~!!!!(残業で溶けた脳)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ