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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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雑学

 我ながら、結構武士とは話が合うと思う。

 何故かは全く分からないが。


 それでも、往々にして会話のネタが無くなることがある。

 ぶっちゃけ全然構わないが。


 ともあれ、そんな時決まって武士は私にあるものをねだるのだ。


「……大家殿、例のものを」


 はいよ。えーと……何があるかな。


 ……ああそうだ、アレがあるわ。


 あのね武士。




 カンガルーの誕生日ってね、お母さんの袋から顔を出した日で決まるんだよ。




「ほおおおおー!」


 うん。

 カンガルーの赤ちゃんってめちゃくちゃ小さく産まれてくるからさ、お腹が大きくならないお母さんカンガルーの妊娠は誰にも気付かれないんだ。

 しかも赤ちゃんカンガルー、産まれたらすぐ自力でお母さんカンガルーの袋に入り込むからね。しばらくは赤ちゃんが生まれてることすら、知られないことが多い。


「なるほど……。だから、袋から赤子が顔を出すまで待つしかないのか……」


 そうそう。

 つまり袋から顔出した瞬間、飼育員総出で「おめでとうございます! 元気なお子さんですよ!」だな。


「むぅ……元気なお子さんであることは、“お母さんかんがるう”が一番よく知っておるだろうにな」


 まあ、そうだな……。

 ずっと面倒みてるわけだもんな……。


 そう返すと、武士は腕組みをして頷いた。


「ふむ、今回も面白き話であった。大家殿はやはり博識の者である。また是非、よろしく頼むぞ」


 うん。

 私も、趣味のネットサーフィンで得た知識がこんな所で役に立つとは思わなかったよ。

 いや、役に立っているのか?


 なんでもいいか。


 とにかく、時々こうやって武士が私に雑学披露をねだってくるため、最近の私は雑学集めに勤しんでいるのである。

 金のかからないいい趣味だと褒めて欲しいものだ。

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― 新着の感想 ―
自分はマジでつまらん雑学しか知りません。(Gの羽根=エビの尻尾みたいな)
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