武士が麦茶の量産体制に入った
職場で「夏に出すお茶は熱いほうがいいか冷たいほうがいいか」という議論が起こっていた。ちなみに私の意見は、「夏の来客は麦茶とカルピスがあれば99%対応できる」です。対戦よろしくお願いします。
その確たる証拠に、夏になれば武士が麦茶の量産体制に入る。
「作れども作れども我が麦茶足らなざり」
夏の石川啄木か?
「じっと大家殿を見る」
そりゃ会社に行く時にクソデカ水筒に麦茶を仕込んでいくけどさー、お前だってマーライオンの逆再生みたいな量飲むじゃん。お互い様だよ。
「しかし、これほど作れども二人で飲む分には追いつかぬのだな。茶屋の苦労が忍ばれる」
そういや江戸時代……お前がいた場所にも麦茶ってあったの?
「麦湯があったぞ」
へー、麦湯。なんだかあったかそうだね。冬の飲み物?
「否、夏に店が出ておったぞ。涼みに来た客や、給仕する娘目当ての客でなかなか賑わっておった」
意外と歴史があるもんだ。それが今じゃ各ご家庭で量産できるんだからな、ありがたい話だよ。
「まったくである。しかし……茶を作る仕事は、湯を使う分暑いのう……」
お前、いつも煮出ししてるよね。水出し麦茶でもいいんだよ?
「煮出しのほうが香りが豊かになるゆえ」
ここには味音痴しかいないから大丈夫だよ。
「ふ……」
おん??? 今バカにしたか??? 「大家殿はそうかもしれんが某は、な……」みたいな顔したな?
「ふ……」
おおおん??? おおおおおおん???