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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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残業後の朝

 同僚の取引先から理不尽に怒られる夢を見て飛び起きましたおはようございます。

 ああ……朝だ。一瞬寝過ごしたかと思って焦ったけど、今日は日曜日だから問題ない。どんな悪夢よりも寝坊が怖いよ。そういう体になっちまった。


 だらだらしてぇー。でもこういう時こそ武士がおはよう(物理)してくるんだよな。大型犬か?


 しかし予想に反して、いつまで経っても武士がやってくる様子はなかった。


 死んだか?


「死んでるわけなかろうが」


 生きてた。

 おはようございます。


「死んだように眠っておったのは大家殿のほうであるぞ。ゆえに某、今朝からまめに大家殿の息を確かめねばならんかった」


 それは大変ご心配をおかけしてしまい……。

 え、今朝からって何? 今何時?


「正午」


 しょうご?

 ……。

 正午!!???? え!!!??? 12時!!!!????


「もはや“おはよう”ではござらん。“ご機嫌いかが”と挨拶いたそう」


 そんな優雅な挨拶できる余裕ないよ! うわー……アホみたいに寝てしまった。後悔がすごい。


「ここのところかなり遅くまで働いておったからな。疲れが出たのであろう」


 そりゃそうなんだけどさぁー……。

 はあ、過労で倒れた人の分まで働いて、私まで倒れちゃ世話ないな。


「うむ。大家殿の代わりはおらんでな」


 優しいねぇ。

 でもそうなんだよな。今の社会、人手不足もいいとこだから「お前の代わりはいくらでもいる」系のパワハラがただの無能証明発言になってんだよな。即戦力になってくれるような代わりはまずいない。新しい人を呼びつつ、今いる人を大事に育てるのが鉄則。

 私を大事にしてくれ、会社!!!!


「社会は大家殿の母親ではない」


 カイジの利根川か?


「ともかく今日は昼から酒を飲もうぞ! 肉を焼いてもよいな!」


 おー、そうしよそうしよ。人間、肉食えるうちはまだ大丈夫だ。


「某はたまねぎを焼きたい」


 なんでも焼けばいい。

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