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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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残業後

 実は最近、はちゃめちゃに忙しい。

 職場で欠員が出たのだ。なんでも過労からくるストレスで体調を崩したとのことで、向こう数ヶ月は職場復帰が望めないらしい。

 突然のことだが、それ自体は構わない。むしろゆっくり休んでほしいと思う。ストレス原因での体調不良は本当に怖くて、無理をするとそれこそ人生を棒に振るようなことになりかねないからだ。


 が、その人がこなす予定だった仕事が消えるわけではない。


 よって今、残りの者たちでその人の仕事を分け合って(時には押しつけ合って)どうにかしている最中なのである。今日もお月さまがきれいだねーーーっ!!!!(現在時刻0時)


 さて、我が家は真っ暗だ。唯一の同居人である武士はもうとっくにおねむの時間である。闇の中でハムスターが元気いっぱい回し車を回す音だけが聞こえてくる。かわいいね。


「よくぞ帰ってきた」


 うわーーーーっ!!!?


「ぢっ」


 あ、ハムごめん! でかい声あげてすんませんでした!(小声)

 つか武士、どうしたの? こんな時間まで起きてるって珍しいね。


「妙な胸騒ぎがしてな。寝れなんだ」


 胸騒ぎ? そりゃまた不吉な……。

 でもこっちはただの残業だよ。疲れちゃいるけど安全無事に帰ってきたよ。


「この時刻に帰ってくるのは無事ではない」


 それもそうか……。

 まあとにかく帰ってきたんだ。お前の胸騒ぎも収まっただろ。早く寝なよ。


「否。なにゆえか……未だ腹のあたりがざわざわしておるのだ」


 なんなんだよ、怖いな。うーん……それじゃもうちょい起きとく? 私もカップ麺食べて風呂入ってから寝ようと思うし。


「ぬ、蕎麦か」


 蕎麦っつーかラーメンっつーか。


「お供しよう」


 おう、そんならお湯沸かしといてよ。私その間に風呂に入ってくるから。


「任されよ」


 うん。

 ……。


 あいつ、腹減ってただけじゃない?

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