休日の朝
日曜日だ。信じられない。ついこの間金曜日の夜だったのに。誰か嘘だと言ってくれ。
大体5日働いて2日休みっておかしくない? 逆じゃない? 2日働いて5日休むじゃない?
あー、空から不労所得降ってこないかなー!!
「出かけようぞ、大家殿ーっ!!!!」
残念! 降ってきたのは筋肉ダルマでした!
だからベッドに腹ダイブしてくるんじゃない! 今日び小学生でもそんな起こし方しねぇぞ!
「待ちに待った大家殿の休日であるからな。某、どこへ行こうか散々頭を悩ましておったのだ」
お前……そんなに私と過ごす日曜日を楽しみにしてくれていたのか。
ふふっ、そう聞くとなんだかくすぐったいな。で、どんな予定を立ててるんだ?
「何も考えておらん」
だろうと思ったよ。お前はいつもそうだ。彼女にデートで「ランチはどうする?」って聞かれてもいつも「なんでもいい」って答えるもんだから少しずつフラストレーションを溜めさせてある日突然「そういうとこ、嫌だった」ってフられるやつなんだ。
「大家殿の話か?」
私の話はしてないんだよ。
とにかくお前が予定決めてないっていうなら私は二度寝するからな。寝溜めで幸せになるんだ。
「時間の浪費はおすすめせんぞ。加えて、二度寝とやらは体にさほど良くないと聞いた」
私の体にはいいんだよ。それじゃフォーエバーおやすみ。
「とこしえの眠りにつくつもりで挑むではないかー。否否、大家殿。でかけようぞー」
どこに?
「ぬ……万博」
あれ事前にチケット申し込んどかないと入れないんだよ。確か。
「ぬ……ほ、ほかいどー」
北海道??? 思い立って行ける距離じゃなくない???
「おきなわ」
沖縄も難しいよ!
「ぬー」
もっとハードルが低いところ言ってくれよ。いっそスカイツリーとか。
「ではそこで」
あ、なんか嵌められた気がする。
だが時既に遅し。私達は東京スカイツリーに向かうことになった。




