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国語ドリルを買ってみた
昨日、会社から帰る途中に本屋に寄り、小学一年生向けの国語ドリルを買ってみた。
朝目が覚めた武士に手渡すと、きょとんとした顔でしばらくじっと眺めていた。
元いた場所で使われていた文字とは少し違うが、これで勉強してほしいと伝えると、途端に興奮したように私に向き直った。
曰く、「これで大家殿の持っている黄表紙が読めるのだな!」とのこと。
どうやら、私が出かけたあと、筋トレと散歩(ニット帽着用)の合間を縫って毎日漫画を眺めていたらしい。
平仮名片仮名であればなんとなく読めるそうだが、意味のわからない言葉が多かったようだ。
「大家殿、このシルクスクリーンとやらは家にあるのだろうか」
お前『聖☆おにいさん』読んでたのか。
武士の意外な識字率の高さに驚きながら、もう少し高学年向けのドリルを買ってきてやろうと思うのであった。