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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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またも眠れず

 眠れない夜。君のせいではなくて私の体質のせいですほんとすいませんね。

 さあ今夜もやってまいりました、全然眠れず午前3時なう。一時期あまりにも眠れないせいで医者に相談にしに行き、数年にわたり睡眠導入剤を服用していたものの、ある日「人間、2日眠れなかったらその次は眠れるもんです」と突き放され、それもそうかと今に至ります。

 だから明日は眠れるはず。幸い明日は仕事がなかったので有給を取っている。今日は開き直って存分に夜を眺めるぞ。


「ぬお~……」


 なお、武士のいびき対策に、既に耳栓は装着済みです。これがあるとないとでは夜の快適さが全然違うね。

 それにしても元気ないびきだな。武士は今日も床に敷いた布団からはみ出しているのだろうか。そう思って確認してみたところ……。


 武士の体がベッドの下から生えていた。うわぁ。


「ぬおっぬおっ」


 狭いワンルームなので、当然ベッドの下は物置スペースになっている。だが武士は果敢にもそこに足をねじ込み、自分の居場所を得ることに成功していた。衣装ケースに感情があったなら大いに困惑しているだろう。


「んぬ……?」


 しかしやはり居心地が悪かったのだろう。のそのそと芋虫のように体を動かしながら出てきた。


「ぬ……むむ……」


 手をばたんばたんしながら何かを探している。あ……もしかして私と手を握りたいのか?


「むんっ!」


 違った。バチーンって叩かれた。お前本当は起きてない?


「ぬぬ……むむぅ……」


 おお……犬のぬいぐるみを所望していたのか。抱き寄せたあとは動かなくなってしまった。

 まあそのために完全に布団からはみ出たのだけど。クーラーをつけているとはいえ、床にじかに肌が触れるほうがひんやりして気持ちいいのかもしれない。


 さて、自由気ままに眠る武士を見てるとちょっと眠くなってきたな。少しでも睡眠を取っておくべきか……。


ハムスター「ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ」


 うわぁ人の気配を察知したハムスターが自らを外に出せと猛アピールしてる! でもごめん、今は外遊びの時間じゃないからお前は出せないんだ。


ハムスター「カラカラカラカラカラカラカラカラカラカラ」


 うわぁめちゃくちゃ回し車回してる!

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