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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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恥ずかしい思い出

 私だって人間なので、自己嫌悪で爆発したくなる時がある。

 また、それなりに恥の多い人生を送ってきたので、枕に顔をうずめて「ウオーッ」と叫びたくなる時がある。


 いや、違う。


 私の場合、恥ずかしい過去を思い出した時、変な独り言を口にしてしまう。


「何事だ?」


 そしてこちらは、先程「モッツァレラ」と私が発したばっかりに戸惑ってしまった武士です。

 ごめんな。あまり思い出したくないこと思い出しちゃったんだ。


「ちぃずにまつわる事柄か……?」


 いや、チーズは関係ないよ。昔の失敗で……あ゙ーっ、アンバサダー。


「サバ?」


 ごめん、宣伝も魚も関係ない。私、恥ずかしい出来事を思い出しそうになった時、突拍子もない独り言を口にしてごまかす癖があるんだよ。


「なるほど、そういうことであったか」


 武士にもそういうのない? 嫌なことを頭から追い出すための儀式。


「うーむ、某は鍛錬に鍛錬を重ねておるからな。左様なことは」


 そういやお前、この間風呂から上がった時にふんどしと間違えて


「ずーーーーーーーらしあっ!」


 大陸?


「たいりく?」


 意味がわからずに発したのかよ。ちょっとした奇跡じゃん。

 つかお前も、恥ずかしいこと思い出しそうになったら変な独り言言うタイプなのか。


「いやいや、先程の件は偶然である。常日頃の某であればいたって落ち着いた対応を」


 そういやお前、この間卵焼きを作る時、思い立ったように自分の月代に向かって卵を


「もきゅめんたりーーーーーっ!」


 ドキュメンタリーの形式を借りたフィクション作品?


「大家殿、意地が悪すぎるぞ!」


 ごめんごめん。反応が面白くてつい。


「む……そういえば先日、某が部屋にいないと思った大家殿は、おもむろに立ち上がるなり服を」


 ゴッサムシティーーーーーッ!!

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