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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
585/680

ガチャ

 たまにガチャガチャをやる時がある。

 昔は100円でできるものが主流で200円となると二の足を踏んだものだけど、今は500円でも結構普通だね。その分クオリティも高いので特に文句はないのだけど。


 だが、一点だけ問題がある。


 狙った商品が当たらないのだ。


 私はポチっちだけがほしいんだ……!!!!


「般若のような顔をしてどうした、大家殿。かような顔をしておると童から怖がられてしまうぞ」


 ガチャコーナーにて葛藤する私を後ろから覗き込むのは武士である。彼も今しがたガチャを回し、カエルが登山しているストラップをゲットしてきたところだ。なんだよそれ。素敵な色合いでかわいいな。


「このがちゃーを回すのか」


 なんで伸ばした? うん、まあそうだよ。回したいんだけど、ほしいのがこのキャラだけなんだよね……。


「回せば良い。他の者が出ても愛らしいではないか」


 でも「これがほしい!」ってのがあると他のが出た時にがっかりしない? 私、ガチャを回すならどれが当たっても嬉しい時にしかやりたくないんだよな。


「つまり……当てればいいと?」


 そうだね。そんなことができればだけど……。


 ……。


 できるのか? 武士……。


「うむ……某に任せてみよ」


 本当だな? 信じるぞ?


「応」


 よし、金は投入した。あとはレバーを回すだけだ。

 やってくれ、武士。


「南無三!!」


 武士が勢いよくガチャを回す! そして出てきたものは――


 ポチっち!!!! ポチっちだ!!!!!!!

 嘘だろ、ちゃんと当たる流れなのかよ!!!!!!!!


「ふぉん!? ……ふ。某にかかればこんなものよ」


 お前今ふぉんっつったじゃん。私より驚いてたじゃん。

 いやー、すげぇわお前。ここ最近で一番感動してる。マジでありがとう。ポチっちかわえぇ。


「んぬふふふ、いやいや、これも某の日頃の行いがよかったからというもの」


 や、ほんとすげぇよ、お前の日頃の行い。

 じゃあその勢いでこっちも頼むわ。今度はヌオー出してくれ。


「任せよ!! ぬんっ!!!!」


 よしよし、どれどれ……。

 おい、ピカチュウじゃん。ヌオーじゃないじゃん。


「某はピカのものが良かったゆえ」


 ヌオのもの出してくれよ。まあいいか、それじゃこのピカは武士にあげるよ。


「ありがたく頂戴いたす!!!!」


 腹から声出るじゃん。まさか最初からこれが狙いか?

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