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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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さんぱつ

 休日。それは朝から晩まで寝間着で過ごしたって誰にも何も言われない日。

 よっしゃ! ねんねするぞー!!


「ならぬ」


 おおん、武士。


「大家殿は、髪を整えに行かねばならぬ」


 ついに言われたか……。

 何を隠そう、今の私の髪の毛は伸びに伸びてしまっている。最初はちょっと前髪が長いかな? ぐらいの認識にとどまっていたのだが、今や後ろでひとつに結べるほどだ。先日は後輩から「宮本浩次目指してます?」と言われてしまった。

 よし……散髪に行くか!


「うむ!」


 限りなく坊主に近い短髪にしよう。


「相変わらず大家殿のいめちぇんは極端であるのう。もう少し手心を加えるべきでは?」


 別にいいじゃん、夏もすぐそこだし。


「周りの者が戸惑うであろう。人によっては失恋を疑うやもしれぬ」


 そうかな……。


「あるいは、某に家を出ていかれたのかもしれないと尋ねる者もあろう」


 その場合は祝杯をあげるけど。


「せめてもみあげは残すべきだ」


 殆ど坊主みたいになってんのにもみあげだけ豊かだったら怖いだろ。

 仕方ないなー、それなら前に髪を切った時ぐらいの長さにしとくか。


「なぜそう毎度極端な髪の切り方をするのだ」


 どうせ同じ値段なら、一度にたくさん切ってもらったほうがコスパいいじゃん。


「床屋はそういう趣で行く場所ではないと思うのだが」


 でも今の私なら髷を結えそうだよね。なるか、ダブルちょんまげ。


「いや……ははは」


 うーわ、愛想笑いでごまかされた。武士のくせに生意気な。

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