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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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ブレイキン

 武士がブレイクダンスを知ってしまった。


「ぬおおおおおおおおっ!!!!」


 もうだめだ。この狭い我が家に、背中を床につけてぐるぐる回る成人男性(ちょんまげ付き)が爆誕してしまった。もう二度とカーテンを開ける日は来ないだろう。犬神家の逆さ足がお目見えするからだ。


「おんっ!!!!」


 転んだ。いや、最初から寝っ転がっているのに転んだってのはおかしいな。回転が止まった。


「気分が悪いぃ……」


 そりゃそうだろうな……。


「だが、かの鮮やかなる技を習得する日まで某は止まらぬ」


 これ以上はやめなよ。ブレイクダンスをするより先に、内臓が雑巾絞りみたいになっちゃうよ。


「構わぬ」


 構わんことあるか。


「いいや、芸の道というものはそうでなければならんのだ。自らを犠牲にせねば、なんだ、その……ぶれ? ぶり? ぶりだん……ぶり踊り」


 ブレイクダンスな。


「ぶりタンス」


 ブレイクダンスな。


「ぶりーくだんすは我が物にできんのだ」


 惜しいが見逃してやろう。ほら、ちょっと休憩しな。お水入れてあげるから。


「かたじけない」


 いえいえ。

 で、まだやるの?


「うむ! もう少しで何か掴めそうなのだ!」


 マジで?


「むむ……むむむむむ! きたきたきた! きたぞぉ!!」


 おお、ついにきたのか!?


「うむ! すまぬが、某少々雪隠にこもるがゆえ!」


 吐きそうになってんじゃねぇよ! もう今日はやめときな!


「江戸に帰った暁には殿にお見せするのだ」


 たたっ斬られるよ!!

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