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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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小さき者への心配

 平日は昼間家にいないので気づかなかったのだが、ハムスターは想像以上に巣から出てこない。武士いわく、たまに起き出してくるらしいが、辺りを確認してすぐまた巣に帰るとのことだ。

 しかし、今日はまた信じられないぐらい姿を見ない。

 ……。

 なあ武士、昨晩ぽぽはおっそろしい量の巣材を巣に運んでたよな。


「うむ」


 まさか中で巣材に埋もれて窒息してるなんてことは……!


「ない。案ずるな」


 でもわかんないよ!? お前だってこの間「押入を我が城としよう」とか言ってクッションやら布団やら運び込んで、それがつっかえて中から出られなくなってたじゃん!


「あれは……! あれは本能の行動ではないがゆえ! 一方ハムの者は本能で巣を作る方法を知っておる! やすやすと息が詰まって死んだりはせぬ!」


 そ、それもそうか。じゃあ心配することないか……。

 ……。

 なあ武士、昨晩ぽぽは大量のペレットを頬袋に詰めてたよな。


「うむ」


 まさか、巣箱の中でペレットを取り出して食べようとした時にうっかり喉に詰まったなんてことは……!


「ない! 案ずるな!」


 でもわかんないよ!? お前だってこの間「枝豆をどこまで頬に詰められるか試してみよう」とか言って実際試してうっかり喉詰まらせかけたじゃん!


「あれは……! おもむろに大家殿が愉快な話を始めおったがゆえ! 仕事場にて転がる椅子でふざけて滑りし時、突如戸が開きブチョーが現れそのまま激突したなどと……!」


 何も言い訳できなかったよね。


「……」


 ……。


「もしや……ぽぽのほうが某らより賢いのではないか?」


 そうかもしれないね……。

 あ、鼻先出した。かわいい。

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