日曜日の朝
今日は日曜日。数年前までこの日は、一週間分の掃除や洗い物をまとめてやる日だった。
だが、今は違う。武士がいる。武士が毎日、せっせと掃除なり洗濯なりを担当してくれている。
ゆえに私は大手を振るって二度寝できるというわけである。最高!
「遊びに出かけるでござるぞぉーーーーっ!!!!」
だが暇を持て余した武士が現れた! 休日のこどもか! いい歳だろお前!!
「本日は、駅前の広場でフリン・マケイクサをしておるそうな」
そんなドロドロの人間模様が日中駅前で繰り広げられてたまるか。誰が行くんだよ。
「暇を持て余した口さがない者たち」
たくさんいそうだけどさぁ。
つかそれ、フリーマーケットだろ。
「そうともいう」
そうとしか言わねぇんだよ。あ、今の流れクレヨンしんちゃんで見たことある気がするな。
「クレヨンしんちゃん?」
知らない? 日本中の未就学男児の尻をまろびださせた伝説の男。
「妖怪か?」
幼稚園児だよ。
「まあよい。疾く、フリンマケイクサ行くべし」
待って待って待ってまだ服着替えてない。
「構わぬ。どうせ寝間着とそう変わらん」
は? 変わるし? もはや魔法をかけられたシンデレラと言っても過言ではないし?
「あれは元が良いゆえ……」
朝から喧嘩売ってくるなんて景気がいいな。言い値で買うから取り置きしとけよ。
とにかくそんな事情で、フリーマーケットに行くことになったのである。次回、フリーマーケット編。




