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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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寒い朝

 もうー。


 寒い。


 朝が寒い。突然寒い。なんだよコレ。

 最近の気候反復横跳びしかできないの? シャトルランなの? 意味わからん。


 スマートフォンで時間を確認する。午前六時。よっしゃ、もうちょい寝られる。

 私は布団をかぶり直し、そっと二度寝しようとした。


 が。


「大家殿ーっ!」


 我が家に居つくアホに布団を剥ぎ取られた。


 寒い寒い寒い寒い。


「約束したであろう! 今日は共に体を鍛えると!」


 ……えー?

 しましたっけね? 気のせいじゃない?

 返せやお布団。


「ダメだ! 返せばまた大家殿は寝てしまうだろう!」


 おうその通りだよ。よくご存知だな大正解。

 褒美に外走ってきていいぞ。グッボイグッボイ。布団を返せハイあんがとおやすみ。


「大家殿ーっ!」


 正直ね、動物園行ったからしばらくはそれでもつかなと思ってるとこあるんだ。

 武士への優しさ貯金というか。切り崩して生きていってほしい。

 うん? 何か自分でも何言ってるかよく分かんなくなってきたな。まあ眠いとそんなもんだよね。


 武士の怒鳴り声は、布団を頭までかぶってシャットアウトする。こうして私は二度寝し、完全にふてくされた武士は一人で鍛錬へ向かい、なんやかんやで私はまた会社に遅刻しかけたのであった。

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