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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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好きな服を着る

 人間が社会のどさくさに紛れて生きていくにあたって、必要なものはいくつかある。もちろんコミュニケーション能力もそうだろう。だが、個人的にはそれよりも重要なものがあると思う。


 服だ。


 だって、いくら爽やかイケメン好青年でも全裸でこっちに向かってきてたら逃げるだろ? それぐらい服は人間にとって重要な存在なのだ。


 だから武士よ。そろそろそのおんぼろジャージは捨てるべきだと思う。


「否。繕えばまだ着れる」


 繕ったところでその一回り外からほつれてきてるじゃん。経年劣化で繊維が針に耐えられなくなってるんだよ。諦めな?


「否。家の中ではまだ着れる」


 無理だよ。尻のところとか見るも無惨にうっすくなってんじゃん。

 もうジャージは十分がんばったよ。解放してやりな?


「否ぁ」


 聞きゃしねぇな。うーん……どうすべきか。


 ……そうだ、武士。今から服屋に行こうぜ。


「ぬ?」


 なんでも好きな服買ってやるよ。どう?


「それは……悪くない申し出であるが」


 そうだろ。思えばお前が着る服っていえば、私の服のお下がりだったもんな。いくら居候だからって私に気を遣わなくていいのに。


「いや、さほど着物に興味がないだけである」


 まあ正直そういうところに家計が助けられているとは思う。


「うむ。某としては、うまい飯が食えるのであれば毎日ふんどし一丁でもいいぐらいだ」


 価値観の天秤が傾いてるなぁ。いや、江戸時代的には普通の感覚か。

 だがここは現代日本である。染まっていただかなくてはならない。


「ぬ、大家殿よ、しばし出かけるのは待ってもらえぬか。げぇむのろぐぼを回収する時間ゆえ」


 染まりはしてるな……。

 というわけで、次回お洋服購入編! よろしくお願いします!

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