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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
551/677

こどもの日なのに

 本日は5月5日。こどもの日。そしてゴールデンウィーク最終日だ。

 何日か前にも書いたと思うが、私はあいにく仕事だったためにこの長期休みの恩恵に預かれない。そう、そのはずだったのである。

 だが、今の私はどうだ。本来なら慌ただしく準備をしているはずなのに、まだ悠々とベッドに横になっているのである!

 もはや何も恐れるものなどない。私は無敵だ。誰もこの城塞を崩せないのだ。ふははははははは


 げほごほげほべぇっほえふえふ


「そう激しく物を申すでない。喉が無惨にがらがらであるのだから」


 やっと掴んだ休暇が病欠で、長期休みの尻尾って一番惨めな立場じゃない?


「ともかく休養が必要である。何か必要なものはないか」


 ゴールデンウィーク。


「それはもう手遅れとして」


 本当にウィーク(弱点)だったのは私の喉だった……ってね!?


「なにゆえ大家殿は気分が上がっておるのだ」


 風邪をひいた初日はまだ体力が残ってるから、買い出しや家の掃除をしたい気持ちになる傾向にある。


「はた迷惑な傾向であるな」


 でも武士だってそうじゃん。この間なんか、鼻水垂らしながら「何のこれしき!」ってエコバッグ掴んで駆け出そうとしてたじゃん。


「あれは体力が余っておるうちに家のことを片付けておこうと思っただけだ」


 一緒一緒。


「一緒なものか……いや、一緒であるな。振り返ってみればまったく同じだった」


 長く共に生活すると思考まで似てくるらしいよ。恐ろしいね。


「なるほど……。では浮気を疑ってくるものを返す刀で疑えば、その者もまた浮気をしていると」


 そんな話じゃなくない? いや、そんな話なのか? なんか頭がぼんやりしているせいでうまく考えられなげほえふえほえっほえっほえっほ


「とく勤め先に今日は休むと伝えねば」


 うわほんとだ。電話してくる。

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