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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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みどりの日なので

 本日は5月4日! みどりの日!

 そう、今日は自然や緑に感謝するための日である! 私は田舎で生まれ育ったものだから、青々とした森や音を立てて流れる川が今の私を育んでくれたといっても過言ではない。あいつらは本当に怖いやつです。絶対に心を許さないでください。


 そういうわけで、家にいるアデニウムを黒いビニールカップから出してあげようと思います。黒いビニールカップとは、買った時によく使われているあの容器です。そしてこのアデニウムを購入したのは4年ぐらい前です。つまり4年間、私はこのアデニウムを買ったままの状態で置いてきたわけです。

 なんか花が咲かないなぁと思っていたら、そういうことでしたか。


「だが、枯れる前に気づいたのは僥倖といえよう」


 まったくだ。幸いアデニウムの状態はとてもいい。幹はぶよぶよしておらず、葉っぱも元気だ。

 更に今日この日の植え替えのために、一週間前から水やりもやめている! 準備は完璧だ!


 いざ、住み慣れた(慣れすぎた)ビニールカップよ、さようなら! ずぼっ!


「根が、びにーるかっぷを突き破っとるではないか」


 ほんとごめん。


「まこと哀れなる植木よ。今某が助けてやる」


 私も助ける気でいるんだって。えーと、黒くなったりしてる根っこがあったら、この時切ってやるのがいいんだって。状態はどう?


「うむ、問題ない。どの根も健全である」


 おおー、マジか。よかった。水はやっていたものの、ほぼ一年中室内に入れてたから駄目になってる部分が多くなっててもおかしくないって思ってた。


「ではこちらの鉢に入れるがよい。すぐに土をかぶせてしんぜようぞ」


 おう、任せたぞ。よいしょ。ずぼっ。

 一週間は日陰に出してやるといいんだって。で、それが済んだら薄めた液肥をやって、またちょっと日陰において様子を見たら、もう普通に屋外で育てていいそうです。


「うむ、たやすい手順であるな」


 だろ。


「そんなたやすい手順であったのに、大家殿はなぜ……」


 植物とかあんま育てたことなくて、ビビってたんだよね……。でももう心を入れ替えたから。


「新しき鉢にか?」


 こいつぅ~♡

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