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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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モテ痩せ

 先日も献血に行っていたのですが、その際に乗った体重計の数値が想定よりも高めでした。簡潔に言うと太りました。

 よって、以前買ったはいいけれど押し入れの肥やしになっていたバランスボールを引っ張り出してきて、今椅子の代わりに乗っているというわけです。

 これ痩せるの?


「痩せぬ。楽をして痩せたいのなら食わぬのが一番だな」


 武士が腹筋に取り組みながら、刀より鋭いことを言う。


「しかし、だいえっととは不思議なものよの。某がいた場所では食うものに困り今日の夕餉を抜く者はおっても、痩せたいがために食わぬ者は一人もおらんかった」


 江戸時代ならそうだろうなぁ。贅沢な時代だよね、今は。産業や科学、流通が発達して食料の効率的な生産と保存ができるようになった。

 金持ちほど美しく痩せてるって話も聞いたことがある。栄養バランスが偏った太りやすい食事じゃなく、自分の健康に気を遣った食事と定期的な運動を取り入れることができるからって。


「なんだか謎掛けを見ておるようだ。豊かになれば、痩せておることが美しさの指標になるとは」


 ないものねだりなのかもしれないね。江戸時代にモテたのも、筋肉モリモリマッチョマンの日焼け面じゃなくて、色白でほっそり優男面なんだろ?


「そうだった」


 というか、今こそそのほっそり優男を目指すべきじゃん。腹筋を捨ててさ。


「ならぬ。武士たるもの、いざという時にすぐ刀を振るえるようにしておかんと」


 それもそうか。武士のためにモテを捨てないといけないのは大変だね。


「うむ。しかし世の女子を惑わせずに済んだのはよかった。某としても心を傷めずに済むゆえ」


 お前妄想の中でそんな上手に呼吸ができるんだ。

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