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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
537/585

お化粧

 ある日、武士がドラッグストアの一角で足を止めた。まあどうせ新発売のお菓子だろう。じゃがりこの梅味、マジで見当たらないんだけど皆さんどこかでお見かけしませんでしたか。

 しかし、武士が立ち止まって凝視していたのは化粧品コーナーだった。


 〜春色ときめくリップ、新しい私に出会おう〜

 〜完全、美、うるつやモード〜

 〜ラメ入りパウダーで輝く肌へ〜


 立ち並ぶ鮮やかなポップを確認したあと、武士はきらきらお目目で振り返った。


「大家殿、これ欲しい!!!!」


 誰が使うんだよ。


「某!!!!」


 何が狙いだよ。


「美しくなりたい!!!!」


 何のためにだよ。


「某のために!!!!」


 健全〜! 結局自分のために美しくなるのが一番健全なんだよ。

 でもこういうのって際限ないじゃん。それに化粧品って安くないしさー。


「ならば大家殿も美しくなればいい」


 私はいいよ。男だし。


「某も男であるが?」


 確かにな。今時化粧をしない口実に性別持ち出すのは時代錯誤か。

 よし! そんじゃいっちょ化粧品を買ってみっか!


「それでこそ大家殿である!」


 百均ショップでな!!!!


「まさしく大家殿である!!」




 そういう事情で百均で化粧品を買ってみることにした。だが、私たちはここで致命的なミスを犯した。

 化粧の手順を碌に調べなかったのである。


 そしてできあがったのがこちらのバケモノです。


「唇がこれでもかというほど赤を主張しておる。チラチラした光が散らばる目は腫れぼったく見え、剃り残しの髭は落ち葉をかき分け突き出た筍のようだ」


 あっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっ!!!!

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