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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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退屈

 嘘じゃん? もう四月じゃん?

 年々時間の流れが早くなる。この分だと三年後はインディーゲームを漁っている間に終わるよ。あれ時間が溶けるんだが。


 なあ武士よ。時間の流れを緩やかにする方法はないものか。


「あるぞ」


 あるのか。


「退屈なことをするがよい」


 退屈なことを。

 ……そういえば、時間さえあれば娯楽やインターネッツだらだら閲覧にあくせくと力を注いでしまっている。たまには退屈なことをしてみるのも一興だろう。

 やるか! 退屈!


「うむ!」


 で、何をすればいい? 掃除?


「ふむ……掃除は案外夢中になってしまうものだ。退屈とはもっと何も産まず、より何も成せぬものであるべきだ」


 ほうほう、一理あるね。じゃあどんなのがいいかな。


「ううむ……棒を押し、ひたすらに回転させるも特に何の意味もない器具があればちょうどよいのだが」


 魔法陣グルグルに出てきた拷問器具?


「たとえば紙の束を用意し、一枚取っては隣の場所に移していく作業など」


 おおお無意味~! しかも無駄に指先の水分を吸われてカサカサになるやつだ!


「大家殿はかようなことになるのか? 某はならんが……」


 そっか。私保湿頑張るね。


「他は、やらねばならぬと思いながら先延ばしにしておったことをやるとか。無意味ではないが、時間は過ぎぬぞ」


 ああ、うん。はい。

 ……家計簿とかかな……。もう一ヶ月分ぐらいレシートが溜まってる。


「やるとするか。では某は、紙をひたすらよりわける作業を担当しよう」


 紙を一枚取っては別の場所に移動させる作業じゃん。

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