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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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ねむい

 富士急のジェットコースターみたいな寒暖差を乗り越えて、私達は今日を生きている。でもやっぱ多少体の調子は崩れるもので、最近朝が異様につらく感じていた。


「単に年ではないか?」


 そんなことはない。見ろ、この肉体美。


「大家殿はまだ布団にこもっておるではないか。何を見ろと言うのだ」


 記憶を掘り返してみてくれ。


「腹がたるんできたように思う」


 今すぐ記憶処理を施さねばならないようだ。


「またげぇむに影響されておる」


 それにしても洗濯物干してくれてありがとうね。取り込む時は、今の時期花粉と黄砂がばっふんばっふんしてるから、念入りにばさばさしてね。カメムシもくっついてたりするから気をつけてね。


「うむうむ、心得ておるぞ」


 あと、風呂場の洗剤が切れてたから買い足しといて……。


「うむうむ」


 それから……えーと……。


「大家殿、そろそろ出ねば仕事に間に合わぬのではないか?」


 ……。


「大家殿ーっ!」


 あ゛ーっ! お布団ひっくり返された! 今私冬眠中にも関わらず、好奇心旺盛な少年にでけぇ石持ち上げられて起こされたテントウムシの気持ち理解してるよ!! 襲い来るやるせなさと無力感!!


「おにぎりを食べたら準備をするがよい」


 春眠暁を覚えずとはこのことだよね。ああ~……。

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