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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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グノーシア

 『グノーシア』というゲームをやっていたら、武士が横から覗き込んできた。


「これは何をするげぇむだ?」


 宇宙船にいる人達の中にグノーシアっていう未知の敵が紛れ込んでて、そいつを放っておいたら毎晩一人ずつ人間襲っていくんだよ。だからみんなで力を合わせてグノーシアを排除しないといけないんだけど、グノーシアは仲間のふりをしてるから見抜くのがとても難しい。


「ではどうするのだ?」


 話し合いでグノーシアの嘘や矛盾を暴く必要がある。グノーシアだってずっと黙っているわけにはいかないからね。でも当然嘘をついているから、いつかボロを出すかもしれない。そこに気づけたらこっちのもんだ。

 それで話し合いの最後にグノーシアらしき人物を投票で決めて、排除する。船内にいるグノーシアを一掃できたら人間側の勝ち。

 いわゆる人狼ゲームだな。


「つまり頭を使うげぇむというわけであるな? 某、そういうものは得意だ」


 ここにもグノーシアおる。


「某は嘘などついておらん!」


 まあやってごらんよ。私見ててやるから。


「任せろ! 某、あっぱれ見事に愚脳どもの嘘を見抜いてしんぜよう!!」


 愚脳じゃなくてグノーシアな。

 おう、がんばれ。


「……」


 ……。


「……んぬぁ? ぬお、ぬお」


 ……。


「ぬ!? 某を疑っておるのか!? ならぬならぬ、それこそぐのーしあの思うツボであるぞ!」


 ……。


「ぬおおおお!! なぜわかってくれん!? うるさいとはなんだ!? まさかおぬしがぐのーしあではないのか!!」


 ……。


「みんな某に票をいれおるー!! なぜだー!!!! だが、よい! 無実である某をぐのーしあと決めつけたこと、大いに後悔するがよい! この船の破滅は今決定づけられたようなものだ!!」


 負け犬が吠えおる。


「誰が負け犬か!」


 とりあえず落ち着きなよ。このゲーム、最初は勝つのが結構難しいんだ。でもストーリーを進めていくごとに話し合いを有利に進められる能力を手に入れたりするから、どんどんやってみるといいよ。


「ううむ……そうなのか。ならばもう一度やってみよう」


 そうそう。


「しかし、げぇむも良いが、これを実際の者達で遊ぶと実に面白そうであるな。大家殿、遊んでみんか」


 まさにそれが人狼ゲームなんだけど、遊ぼうと思うとそれなりに頭数が必要なんだよね。難しいかな。


「ああ……共に遊べる友人がおらぬから、このげぇむで自らを慰めておったと」


 嫌な言い方するな! 半分ぐらい合ってるけど!! グノーシア面白いよ!!!!

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