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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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定期的に発生する、武士いつ江戸に帰るの問題

 今日は3月18日。ウィキペディアを見れば、年末まであと288日と書いてある。

 嘘だろ、年が明けてからもうそんなに過ぎてんの? 光陰矢の如しにしても度が過ぎない?


「某がおしめを替えてやっていた赤子が、一人で寺子屋に行く年になった。時というものは瞬く間に過ぎるものだ」


 ホラーだわ……。


「すなわち、某もそれほど長く大家殿のもとにいるということ」


 ホラー過ぎるわ……。

 いやほんと、お前いつまで家にいる気なの?


「矢の果てで待つ」


 かっけぇ言い方。え、その矢って光陰矢の如しの矢? じゃあずっといるつもりなんじゃん。ふざけんなよ。


「かようなことを申されてもな。江戸への戻り方がわからんのだから、どうしようもない」


 それは確かにそのとおり。うーん……何か方法はないかなぁ。

 ちょっとそこの引き出し開けてみてよ。未来の猫型ロボットとかいない?


「ぬ」ガラッ

「ぬぬっ! 大家殿」


 どうした。


「散らかっておる」


 ごめんな。


「大家殿は次から次へと封筒を買ってくるからな。すぐに引き出しがあふれてしまう」


 100均に行くとつい買っちゃうんだよね。いいじゃん、備えあれば憂いなしだよ。


「ううむ、しかしこれでは使いにくいことこの上ない。なれば明日、大家殿が勤めに出ている間に某が整頓してしんぜよう」


 お、ありがとう! 助かるよ。


「なんのなんの」


 ところでいつ江戸に帰るの?


「ごまかせんかったか……」

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