『マインクラフトに武士がいる』4日目
『マインクラフトに武士がいる』3日目は、村を探すため走り出した瞬間、転落死して終わりました。こんだけ時間かけてスタート地点から進めないことある?
「自然とは、かくも過酷なものなのだ」
というわけで始まりました『マインクラフトに武士がいる』4日目。ごゆるりとお付き合いください。
さすがに3話かけて微動だにしていないのは由々しき事態なので、今回はあらかじめ村をご用意しておきました。さあ武士、移動するぞ。
「用意できるようなものなのか?」
コマンド入力できたら生成できるのかもだけど、私の場合は単純に時間をかけて見つけたんだよ。お前が寝ている間にな。
「こまんどー……?」
アーノルド・シュワルツェネッガーの往年の名作の話はしていない。とにかく行くぞ! 私の後ろをついてこい!
「承知!」
言ってるそばから私より先に飛び出すやつがいるか! そんなことしてたらあっという間に――
「ぬあああああああ~~~~~!!!!」
ほれ見ろ! 同じ亀裂に引っかかった!! 学べ!!
なんやかんやで村に到着した。熱帯雨林を抜けた先に広がる高原の中にある村だ。畑も数か所にあり、豚や牛なども飼われていて、なかなかに栄えている。
「おお、人がおる! 大家殿、人がおるぞ!!」
うん、村人だよ。間違って攻撃しないようにね。
「うむ! ……。…………。それにしても大家殿、この村には男しかおらぬのか?」
いや、男女の概念がないだけだよ。村人の顔は一種類しかない。
「なるほど。男女の概念がないのであればこれ以上人は増えな……ぬぉっ!? 素早きチビすけがおったぞ!?」
ああ、それ村人のこども。
「男女の概念がないのではなかったのか!?」
マイクラ世界の村人は一匹の個体でオスとメス両方の役割を併せ持つんだよ。つまり雌雄同体。カタツムリと一緒。
「いくらなんでも某をたばかっておらぬか?」
そんなことないそんなことない。ほら、お宝がないか各家のチェストを探そうぜ。
「ぬー……ぬお!? 大家殿、村に怪物が入り込んでおるぞ!!」
げ、マジ? 村人殺されたら嫌だから倒しておいてくれ!
「承知した! くらえ! 角張りし腕の咆哮!!」
技名?
「ぐおおおおー!! 某も強烈な一撃をくらってしまった! 大家殿、この白き巨人まことに強いぞ!」
白き巨人? あ、お前まさかアイアンゴーレムに手を出してない?
アイアンゴーレムは村の守護神なんだ。村人や自分が襲われると攻撃してくるから気をつけてな。
「言うのが遅い!!!! ぬうう……もはやこれまで! 来るがいい、巨人よ! 武器を捨ててかかってくるがいい!!」
はからずもコマンドーで聞いたようなセリフ。でもそいつ全身が武器みたいなものだから……。
「ぬあーーーーーーーーーっ!!!!」
OK!(ズドーン!)
武士はアイアンゴーレムに倒された。
『マインクラフトに武士がいる』4日目・完




