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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
504/581

UV

 夕食時、武士とテレビを見ていた時のこと。


「大家殿、明日は勤めに行くべきではないと思うのだが、いかがか」


 突然、神妙な顔をした武士にそう言われた。なんだ? 何か不安なことでもあったか?

 そういえば、最近物騒だもんな。通り魔とか正直他人事じゃないと思う。もしや、近所で不審者の目撃情報があったとか……!


「否。不審者はおらぬのだがな」


 私の目の前以外には?


「急に裏切るでない。違う。先程てれびを見ていた折に、明日は〝強い〟ので注意をしろと役人が申しておったのだ」


 お前、お天気キャスターさんのこと役人って呼んでんの? まあいいや。強いって何の話だよ。


「それがなんだったか……。確か、ゆんぶい? ぷい? とにかくそれ自体も強そうな名前であったのだ。某が思うに、おそらく化物の類いではないだろうか」


 化物の注意報をテレビで流すかなぁ!? えーと、ゆんぶい……ゆ……ぶい……。

 あ、もしかしてUVのことじゃない?


「ゆーぶいという化物がおるのか?」


 化物じゃなくて紫外線だよ。日焼けの原因になったりするし、天気予報でも流してるんだ。


「しが……ぬ……? つまり、あやかしの類い……?」


 わからないことをすぐ妖怪のせいにするんじゃない。あれだ、太陽の光のこと。


「ほう、そうだったのか。某もまだまだ知らぬことが多いな。とにかく大家殿、不安を煽ってしまいすまなかった。明日もしっかり勤めを果たしてくるがよい」


 いや……UV強いなら休みてぇな。


「日焼け止めを塗っていくがよい」

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