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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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武士とサボテン

 しばらく前の話だが、武士がかわいい植木鉢を買ってきた。


「ぬ」


 手のひらの乗るサイズの植木鉢だ。人参の形をしており、愛らしい顔が描かれている。植物を植えれば、ちょうど人参の葉っぱ部分に見えるのだろう。


「ぬ、ぬ」


 武士は私の服を引っ張り、小さめのサボテンコーナーへと連れて行った。サボテンはさほど水をやらなくても枯れないからか少々ホコリを被っており、中には根っこ付近の葉っぱが茶色く変色しているものもあった。


「ぬー」


 武士は、その中から割と元気そうなサボテンを選んだ。確かにこのサイズならあの植木鉢にも入るだろう。購入を許可した。


「ぬ、ぬ、ぬー」


 その日以来、武士はせっせとサボテンに水をやって育て始めた。朝昼晩と様子を伺い、きっちりと毎日たっぷりの水をやり、そして……


 めちゃくちゃ枯らした。原因は水のあげすぎによる根腐れである。


「ぬーーーーーーーっ!!!!」


 武士は落ち込んだ。私も反省した。ちょうどこの時、仕事がアホみたいに忙しくて武士のサボテン事情に構えなかったのである。

 ごめんな、武士。今度は育て方を調べて一緒に育ててみような。


「ぬー……」


 武士は半泣きで頷いた。しかし今回の武士、鳴き声しか発してないな。ヌオーか?

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