表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
490/679

出勤拒否

 突然の寒波に人はあまりに無力。できることといえば、可能な限り家に引きこもって寒波が過ぎ去るのを待つのみだ。

 仕事さえなけりゃあな!! 行ってきます!!


「うむ、掃除洗濯買い物は某に任せるがいい!」


 くそぉぉ~……! 家にいるのが羨ましいのに掃除洗濯買い物は素直にありがたいから悪態がつけない! お前もすっかり家事が板についたね! 頼んだ!

 それじゃ私は仕事への第一歩を……。


 しかしドアを開けた瞬間、とてつもなく冷たい風が家の中に吹き込んできた。


 私の心→ ――

 私の心→ ― ― <折れた!


 あーーー無理無理無理無理無理です! ギブアップ!! なんで!? なんでこんなクソ寒い日でも顧客は私を待ってんの!? 健気なの!? みんな家にいようよー!!


「どうした」


 仕事に行きたくねぇぇー……。


「ならば休むか?」


 それができたらこうなってないんだけどね。

 いや、ごめんごめん。外が寒すぎて心が折れてただけだよ。もう大丈夫。


「そうか。ならば道中気をつけて向かうがよい」


 うっす。いってきま。

 満を持してドアガチャ。

 風ぴゅううううううううううううう!!!!

 私ドアバタン! 全力踵返し! こたつイン!

 おやすみ!!!!!!!


「大家殿~~~~~~~~」


 うるせぇ~~~~~~!!!! こんな日に出勤なんかやってられっか!! 有休有休!!!!


「上様には何と申し伝えるつもりなのだ?」


 風が騒がしくて行けません。


「鞭打たれるぞ」


 マジで? この言い訳、江戸基準でもそんなに厳しいの?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ