甥っ子との会話
甥っ子がすくすくと成長している。嬉しい限りだ。この少子高齢化が進む日本において、こどもはレアキャラである。大切に見守っていきたい。
さて、先日その甥っ子が遊びに来ていた。
「ねー、ぶし。なんでぶしはハゲてんの?」
「これはハゲではない。マゲだ」
「ハゲマゲ?」
「ハゲはいらぬ」
「ハゲマゲドン?」
「なぜ次から次へと増え……ハゲマゲ丼?」
仲が良さそうで何よりだ。精神年齢が近いのかもしれない。
甥っ子は武士の頭が楽しいようで、月代をぺちぺちと触らせてもらっている。
「ハゲマゲドンー、なんでそんな変なあたましてんのー?」
「変ではない。某にはこれが当たり前であるのだ」
「でも、おれのまわりの人はぜんぜんマゲてないよ?」
「変わっておるな」
「ハゲマゲドンが変わってるんだよ」
「よもやハゲマゲ丼とは某のことか?」
甥っ子はすっかり口達者になっている。一人称だって、以前までは「ぼく」だったのに、小学校に入ってからは「おれ」へと変わってしまった。わかる、私にもそういう時期あった。男の成長って感じだ。
「じゃあさ、ハゲマゲドンはハマゲがふつーなの?」
「鼻毛?」
「ハマゲ! ハゲとマゲ!」
「うむ、マゲが普通であるぞ」
「変だよー」
「変ではない。おぬしもいずれそうなる」
「こわっ」
「怖がらずともよい。大人になれば誰でも一度はハゲマゲ丼になるのだ……。その時を楽しみにしているがいい」
「いやだー!」
武士が変な嘘を教え始めたので、ハゲの部分をペェンと強めに叩いておいた。やめろや! あとで姉ちゃんに怒られるの私なんだから!




