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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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甥っ子との会話

 甥っ子がすくすくと成長している。嬉しい限りだ。この少子高齢化が進む日本において、こどもはレアキャラである。大切に見守っていきたい。

 さて、先日その甥っ子が遊びに来ていた。


「ねー、ぶし。なんでぶしはハゲてんの?」


「これはハゲではない。マゲだ」


「ハゲマゲ?」


「ハゲはいらぬ」


「ハゲマゲドン?」


「なぜ次から次へと増え……ハゲマゲ丼?」


 仲が良さそうで何よりだ。精神年齢が近いのかもしれない。

 甥っ子は武士の頭が楽しいようで、月代をぺちぺちと触らせてもらっている。


「ハゲマゲドンー、なんでそんな変なあたましてんのー?」


「変ではない。某にはこれが当たり前であるのだ」


「でも、おれのまわりの人はぜんぜんマゲてないよ?」


「変わっておるな」


「ハゲマゲドンが変わってるんだよ」


「よもやハゲマゲ丼とは某のことか?」


 甥っ子はすっかり口達者になっている。一人称だって、以前までは「ぼく」だったのに、小学校に入ってからは「おれ」へと変わってしまった。わかる、私にもそういう時期あった。男の成長って感じだ。


「じゃあさ、ハゲマゲドンはハマゲがふつーなの?」


「鼻毛?」


「ハマゲ! ハゲとマゲ!」


「うむ、マゲが普通であるぞ」


「変だよー」


「変ではない。おぬしもいずれそうなる」


「こわっ」


「怖がらずともよい。大人になれば誰でも一度はハゲマゲ丼になるのだ……。その時を楽しみにしているがいい」


「いやだー!」


 武士が変な嘘を教え始めたので、ハゲの部分をペェンと強めに叩いておいた。やめろや! あとで姉ちゃんに怒られるの私なんだから!

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